

債券アウトルック:防衛力強化に伴う財政支出
地政学関連の不確実性が急激に高まり、米国では企業、消費者とも支出に対して慎重になっています。今年後半には財政支援策の実施が予想されるものの、その詳細は依然として不明です。
Resumen
- 米国と世界各国との間の貿易交渉が大きな懸念材料に
- EUは大規模な防衛費増額計画を発表するなど“反転攻勢”に転じる
- タームプレミアムは上昇傾向、クレジットに対する慎重な見方を維持
地政学関連の不確実性が急激に高まり、米国では企業、消費者とも支出に対して慎重になっています。今年後半には財政支援策の実施が予想されるものの、その詳細は依然として不明です。
足元で景況感は低迷しています。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、関税が経済成長とインフレに与える悪影響が強調され、政策金利の据え置きと年内の経済成長見通しの下方修正およびインフレ見通しの上方修正が決定されました。ロベコでは、米連邦準備制度理事会(FRB)は難しい政策運営を余儀なくされると考えます。労働市場の環境が悪化すれば、FRBは利下げの方向に傾斜する可能性がありますが、中期的なインフレ期待がさらに上昇した場合には、利下げが見送られることも考えられます。このため、金融市場が年末までに70bpを超える利下げを織り込むのは容易ではないと考えています。
その一方で、EUは“反転攻勢”に転じ、前例のない防衛費の増額計画を発表しました。欧州委員会が打ち出した8,000億ユーロ規模の「欧州再軍備計画(ReArm Europe)」のにおいて、共同債の発行などによる1,500億ユーロは資金調達が見込まれています。もっとも、最大の“バズーカ砲”は、財政政策を急激に転換したドイツの決定と言えるでしょう。
それでは、米国例外主義は終わったのでしょうか。米国とユーロ圏の経済成長格差は、縮小しつつあるように思われます。この点は株式市場とクレジット市場の動きからも確認され、年初来、米国市場は欧州市場を大きくアンダーパフォームしています。

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