

債券アウトルック:海峡封鎖解除後の展望
ホルムズ海峡の封鎖解除は市場環境の改善要因となり得るものの、それによって慎重な姿勢の必要性が解消されるわけではありません。インフレ圧力と抑制的な金融政策、ならびにタイトなクレジットスプレッドは、より選別的な債券見通しを示唆しています。
まとめ
- ホルムズ海峡の封鎖解除は市場環境のリセットを意味しない
- 金融政策はもはや追い風ではない
- 高い利回りがリターンの下支え要因に
ニュースの流れは引き続きヘッドラインが主導する形となっていますが、イランと米国の間で和平合意が署名される結果となりました。もっとも、ホルムズ海峡の封鎖解除に伴い、市場環境はリセットされ、イラン戦争前の状態に戻るのでしょうか。
市場が注目するテーマの中で、人工知能(AI)関連の設備投資ブームや財政支出の拡大などのテーマについては、リセットされる公算が大きいものの、その他のテーマについては、2月の状態に戻る可能性は比較的低いと見られます。その一例は物価動向であり、インフレの水準と安定性に関する見通しは、二次的影響が生じるリスクや、危機再燃というテールリスクが払拭されない点を踏まえると、速やかに元に戻るとは考えにくい状況です。
各資産クラスの間では、おそらくこのような状況を反映して、値動きの連動性が弱まりつつあります。債券市場では、インフレと金融政策に対する慎重な見方が相対的に強く、水準調整の動きが見られるのに対して、株式市場とクレジット市場では、比較的穏健な展開が織り込まれています。米国では、労働市場関連の指標が予想以上に堅調で、抑制的な金融政策が長期化する見通しが強まる一方で、資金調達コストの上昇と高水準の政府債務残高が、追加的な圧力となっています。
金融政策はもはや経済成長の明確な支援材料ではなく、抑制的ないし(せいぜい)中立的なスタンスが持続する見通しであり、2026年の世界経済成長見通しの下方修正につながっています。

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