今、米国以外へ分散投資すべきでしょうか。
当記事は、米国中心の成長に代わる投資機会を地域別に探る全3回シリーズの1本です。


過去1年の間に、大手機関投資家の間では、株式ポートフォリオにおける地域別配分を再評価する動きが徐々に顕在化してきました。
米国株式がアウトパフォームし続けた10年以上の期間を経て、資金は米国一極集中から、グローバル市場に広がる投資機会へと徐々にシフトしつつあります。これは米国への信認が失われたためではなく、他地域における投資機会の魅力度が高まっていることが背景です。グローバル株式市場では、リターンの源泉が一段と多様化しています。政策、経済構造、セクター構成の違いにより、地域間・企業間でのパフォーマンス格差が拡大しています。このような環境下では、市場のけん引役を予測することは難しく、ばらつきが大きくなるため、広範なグローバル投資ユニバースへのアクセス確保が一層重要になっています。

出所:Broadridge、ロベコ、2026年5月
同時に、米国系資産運用会社の存在感が高まることで、グローバルな資本配分のかなりの部分が米国を拠点とする機関投資家の影響を受ける状況となってきています。これにより、自国(米国)偏重や資金の集中が助長され、他地域の投資機会が見過ごされる可能性があります。*
米国以外への分散を図り、地域別あるいはグローバルな成長機会へのエクスポージャーを確保したい投資家に向けて、ロベコが提供するいくつかのアプローチをご紹介します。

ロベコ BP グローバル・プレミアム株式戦略は、地域やセクターの制約を設けず、世界全体から割安な投資機会を発掘するバリュー株式戦略です。運用期間の大半を通じて、最も魅力的な投資機会のいくつかは欧州企業に見出されてきました。当戦略は、ボストン・パートナーズが長年培ってきた「3つの輪(スリー・サークル)」アプローチを採用しています。これは、市場で過小評価されているだけでなく、事業のファンダメンタルズが堅固で、かつ先行きに強いモメンタムがある企業を選別するものです。このプロセスに基づき、収益成長と株価倍率拡大の双方を通じてアルファ創出が期待される銘柄を見極め、ポートフォリオを構築します。
当戦略はグローバルのオールキャップ株式を投資対象とし、世界全域への投資が可能です。近年のパフォーマンスは欧州株式への配分が功を奏し、特に銀行と資本財(工業)セクターの貢献が際立っています。かつて低迷していたユーロ圏の銀行や保険会社などの金融機関は、金利上昇に加え、北米の同業他社と比べてデフォルト率や保険金支払率が低水準にとどまっていることから、高い収益性を確保しています。その結果、2022年に金利がゼロ水準から上昇に転じて以降、欧州の銀行株は株式ベンチマークを上回るパフォーマンスを示しています。** 当戦略とベンチマークのセクター配分の違いについては、図2を参照してください。

出所:ロベコBPグローバル・プレミアム株式戦略(2026年3月31日時点) ベンチマーク(MSCIワールド)に対する当戦略のオーバーウェイトおよびアンダーウェイトを表示。現金その他は除外。例示目的のみ。記載日時点の概要であり、将来の動向を保証するものではありません。特定のセクターへの投資が、過去または将来において収益を上げた、または上げることを示唆するものではありません。GICSセクター分類を使用。商品特性およびセクター配分は、MSCIワールド指数を基準に、代表口座を用いて算出。
資本財セクターも同様の傾向を示しています。特にAIインフラや防衛分野を中心に、政府や企業による実物資産への投資や設備投資の拡大に支えられています。AIのインフラ整備は、新たなデータセンターや追加の半導体製造能力に対する大規模な支出をけん引しています。同時に、ロシアに対抗するための8,000億ユーロ規模の「ReArm Europe Plan 2030(欧州再軍備計画)」イニシアティブにより、戦車や兵器などの装備から地上インフラやサイバーセキュリティに至るまで、防衛分野全体で投資が加速しています。この支出の拡大はここ数ヶ月、工業株にとって追い風となってきました。グローバル・プレミアム株式戦略ポートフォリオでは、割安に放置されている銘柄を発掘するという戦略思想に基づき、それ以前から欧州および英国を大幅にオーバーウェイトとしてきました。
グローバル・プレミアム株式戦略の欧州へのエクスポージャーは、ベンチマークの13.4%に対して38.7%、英国は4.0%に対して11.8%と大幅にオーバーウェイトしている一方、北米へのエクスポージャーはベンチマークの74.1%に対して40.5%とアンダーウェイトしています。当戦略とベンチマークの地域別配分の違いは、図3に示されています。
当戦略は、バリュー投資の機会が残る北米市場へのエクスポージャーを一定程度維持していますが、総じて米国以外への分散を図っています。

出所:ロベコ BP グローバル・プレミアム株式戦略の地域別エクスポージャー(%)。2026年3月31日時点。

テーマ型株式は、しばしば対象範囲が狭く、成長株に偏り、米国への比重が高いと見なされがちです。しかし、ロベコのテーマ型運用戦略は、設計上、常に幅広く分散投資し、先進国および新興国で進展する長期的なグローバル・トレンドから、最良の投資機会を捉えることを目指しています。ロベコの「スマート」戦略(スマート・マテリアル、スマート・エネルギー、スマート・モビリティなど)は、このアプローチを体現しています。世界各国の政府や民間企業が、エネルギー転換、輸送やその他セクターの電化、AIやデジタル化の拡大トレンドの恩恵を捉えようとする中、これらの戦略は米国以外の地域における力強い成長機会へのエクスポージャーを提供します。
スマート・マテリアル戦略は、AI、デジタル化、次世代技術で変革が進む、世界中の先端素材および工業製造のバリューチェーンに投資します。当戦略は、半導体、赤外線センサー、光ファイバーネットワーク、電力網、電気モーターやタービン向け高性能磁石に不可欠な原料であるトランジション・メタル(エネルギー転換に寄与する金属)や戦略鉱物に対する需要の高まりを捉えます。バリューチェーンの下流では、先端エレクトロニクス、オートメーション、ロボティクス向けの部品を供給する産業メーカーを通じて成長を捉えます。これらを組み合わせると、投資対象は、アメリカ大陸の鉱業・精錬、欧州の特殊加工・オートメーション技術、そしてアジアの部品製造・エレクトロニクスインフラに及びます(地域別配分については図4を参照)。

出所:ロベコ。2026年4月。例示目的のみ。2026年3月31日現在の各戦略の地域別配分であり、将来の動向を保証するものではありません。特定の地域への投資が収益を上げることを示唆するものではありません。
スマート・エネルギー戦略は、世界的に進行する電化や、より広範なエネルギー転換を取り巻く投資機会を捉えるものです。発電や送配電インフラから、下流における電化やエネルギー効率化ソリューションに至るまで、エネルギー転換のバリューチェーン全体に投資します。エネルギー価格の変動やエネルギー安全保障への対応を背景に再生可能エネルギーへの投資が加速する一方で、AIやデータセンター整備に伴う電力需要の急増が送電網の拡張を後押ししています。これらの要因が相まって、太陽光、風力、再生可能エネルギー発電事業者、蓄電池、送電インフラ、配電網、さらには省エネ型半導体やパワーエレクトロニクス部品など、当戦略の主要クラスター全体にわたり幅広い投資サイクルが形成されています。
スマート・モビリティ戦略は、半導体、ソフトウェア、センサー、バッテリー部品、充電ステーションなど、電気自動車(EV)や現代のモビリティを支える幅広い技術に投資します。これらのセグメントは高度化とAI化が進んでおり、自動運転、ロボティクス、関連する基盤技術の成長を支えています。燃料費の高騰、排出規制の強化、保有コストの低下が、EVの世界的な普及を加速させています。その基盤となるバリューチェーンはグローバルに広がっており、欧州企業は車両エンジニアリング、安全・インテリジェンス・システムを供給する一方、中南米およびアジアはリチウム、バッテリーセル、半導体、センサー、量産体制を担い、北米企業は半導体設計、ソフトウェア、ロボットタクシー、ライドシェアサービスを提供しています。
ロベコの「スマート」戦略は、多様な地域へのエクスポージャーに加え、中型株への傾斜を特徴とし、MSCIワールド指数に対して高水準のアクティブ・シェア(通常96~98%)を実現しています。トレンドや銘柄の選定を通じて、構造的に成長する世界に分散されたバリューチェーンにアクセスし、米国株式に限定しない独自の投資機会を提供しています。

ロベコのグローバル・クオンツ株式戦略は、膨大なユニバースを分析処理し、パターンを見出し、その知見を効率的にプロセスに組み込み実行するように設計されています。その中核となるのは、経時的に進化する多様なアルファ・シグナルを基盤とした銘柄選定モデルです(図5参照)。ロベコのモデルは、多様なシグナルを組み合わせることで、リスクを厳格に管理しつつ、最も魅力的な投資機会を体系的に特定することを目指します。この枠組みの下で、投資家は目的に応じて、様々な手法でグローバルな投資機会にアクセスすることができます。

エンハンスト・インデックス戦略は、ベンチマークに近いリスク特性を維持しながら、規律ある銘柄選定と運用を通じてパッシブ運用を上回る投資成果を目指す投資家に適した設計となっています。グローバル・エンハンスト・インデックス戦略は、相対的に厳格なトラッキングエラー制約の下で、市場と同水準のリスク特性を維持しつつ、コスト控除後で安定的な超過収益の獲得を目指しています。既存の基本ポートフォリオやリスク管理の枠組みに自然に適合するコア株式配分として、グローバル株式への投資を求める投資家に適しています。
より高いアルファ創出のためにトラッキングエラーの拡大を許容する投資家に、ロベコのアクティブ・クオンツ戦略は有効です。この戦略では、ベンチマークやリスクを意識しつつも、モデルがより強力な投資機会を特定した場合には、より大きな乖離(アクティブ・ウェイト)を許容します。これにより、リスク管理と運用の規律ある枠組みを維持しながら、アルファ創出の余地を拡大することが可能になります。これは重要な点です。投資家は「ベンチマーク連動」と「制約なくアクティブ・リスクを取る運用」という二択から選ぶことをもはや望んでいないためです。投資家は、透明性と体系性、規律を維持しつつ、差別化されたアルファを追求できる戦略を求めているのです。
このアクティブETFは、柔軟性と運用効率を重視する投資家の皆様に、グローバル株式市場への先進的なアクセス手段を提供します。3Dフレームワークは、リスク、リターン、サステナビリティを単一のポートフォリオ構築プロセスに統合するものです。これら3つの要素を個別に扱うのではなく、総合的に分析して動的に最適化します。これをETFの仕組みに組み込むことで、透明性、流動性、コスト効率に優れたソリューションが実現し、よりバランスのとれた、将来を見据えたグローバル株式投資アプローチを提供することができます。

株式市場のけん引役が分散しつつある中、米国以外の市場に目を向ける重要性がますます高まっています。グローバルなアプローチにより、投資家は地域、セクター、経済構造の違いの中から生まれる、より広範でダイナミックな投資機会を捉えることができます。本稿で見てきた通り、アクティブ・バリュー、テーマ型、体系的なクオンツ運用など、拡大する投資の選択肢にアクセスする手段は数多く存在します。
* https://www.bruegel.org/policy-brief/risks-europe-us-dominance-global-asset-management を参照
** 過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。投資の価値は変動する可能性があります。

当記事は、米国中心の成長に代わる投資機会を地域別に探る全3回シリーズの1本です。
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