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2021年、新規制がサステナブル投資の発展を牽引

2021年、新規制がサステナブル投資の発展を牽引

15-03-2021 | インサイト
2021年、施行される欧州連合(EU)の新規制の下で、投資へのサステナビリティ統合にさらなる注目が集まる見通しです。
  • Kenneth Robertson
    Kenneth
    Robertson
    Client Portfolio Manager - Sustainable Investing

要点

  • EUの投資家にとってサステナブルファイナンス・アクション・プランは大きな転換点に
  • ファンドのサステナビリティ特性の開示が新たな要件に
  • 新規制の目的は透明性の向上とグリーンウォッシングの防止

資産運用業界にとって、2021年に施行となったEUのサステナブルファイナンス・アクション・プランは、2018年に第2次金融商品市場指令(MiFID II)の下でレポーティングと透明性に関する規制が強化されて以来の影響の大きい規制となります。アクション・プランの中核を担うサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)により、ファンドは初めてサステナビリティ特性に基づいて分類されることになりました。

この規制の目的は、最終投資家にとってわかりやすい環境を整備することに加えて、グリーンウォッシングを防止することにあります。グリーンウォッシングとは、アセットオーナーや運用機関が、明らかに問題のある企業をポートフォリオから除外するなどの形式的な対応をとるだけで、サステナビリティを主張することです。

ロベコは、ロベコおよび顧客がアクション・プランに全面的に準拠できるように、全社横断的な専任チームを結成して、新分類への準備や目論見書などの書面における対応を1年以上前から準備してきました。

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グリーンウォッシングの防止

ロベコのESG統合責任者であるMasja Zandbergen は次のように指摘しています。「金融業界は、環境や社会的課題への対応をどのように促進するか、リスクをどのように考慮するかという点を極めて具体化させる必要性が生じます。規制が求めている透明性水準の引き上げにより、グリーンウォッシング防止が促進されるでしょう。」 

「短期的に特に効果が期待できるのは金融業界の『グリーン化』を目的とする多くのアクションを定めたSFDRです。SFDRの狙いは、投資プロセスで利用されている環境、社会、ガバナンス(ESG)特性に関し、所与の指標を用いることによって、各ファンドのサステナビリティ特性を比較しやすくし、また最終投資家が理解しやすくすることにあります。」

ファンドの分類

規制の中核を成すのは、投資商品に義務付けられる情報開示の内容を定めた分類システムです。EU規制の条項においては、以下の3つの分類が定められています。

  • 第6条ファンド: ファンドのESG特性を促進しないファンド
  • 第8条ファンド: 他の特性に加え、環境または社会的特性、あるいはその双方を促進し、かつ投資先企業が適切なガバナンス慣行に従っている金融商品
  • 第9条ファンド: サステナブル投資を目的とする金融商品で、参照ベンチマークとしてインデックスが指定されたもの

ロベコでは既に、ファンダメンタル株式、債券、クオンツ、個別顧客向けにカスタマイズされたサステナビリティ戦略など、幅広い運用戦略の投資プロセスにおいて、可能な限りESG要因を統合しています。また、厳格な投資除外方針と体系的なアクティブオーナーシップのアプローチを採用しています。このため、ほとんどの運用戦略が第8条の分類に該当します。

ロベコSAMブランドを冠し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)などのテーマを追求する一連のインパクト投資戦略や新たに運用を開始した気候債券戦略などは、第9条に分類されます。一方、第6条に分類されるのは、デリバティブのみを利用するファンドなど、ESG要因を意識的に組み入れていないごく一部のファンドに限られます。

ロベコでは、30名以上から構成されるプロジェクト・チームが規制の確実な順守を目指して作業を進めてきました。また、運用チームも、社内の法務、コンプライアンス部門や外部のアドバイザー、規制当局と連携しながら、全ファンドにおいて関連する基準や情報開示の要件が満たされるよう取り組みました。

通常通りの業務運営

規制は広範に及ぶものの、ロベコにおいては概ね「通常通りの業務運営」に変わりありません。サステナブル投資の先駆者として、ロベコは1990年代半ば以降サステナビリティに真剣に取り組んでおり、2005年にはアクティブオーナーシップを全面的に導入、2010年にはESG統合を全面的に実現しました。

Masja Zandbergen は次のように述べています。「ロベコは全社的な哲学として、環境、社会や全てのステークホルダーに対してサステナブルな対応をとる企業(及び国)は、将来的な発展の過程で直面するさまざまな課題を克服できる可能性が高い、という信念を持っています。」

「とは言うものの、追加的な作業が発生しなかったわけではなく、リスク測定、環境・社会に関連する制限、情報開示の内容を規制に合わせる必要がありました。」

情報開示の拡大

顧客向けの各種書面は必要な改定を加えたうえで、3月上旬からロベコのウェブサイト上に公開されています。規制改革に伴い、今後各ファンドについて、二酸化炭素排出からジェンダーの多様性に至る幅広い指標に関して、ポートフォリオの構成銘柄がもたらす悪影響を開示するよう義務づけられることになります。

ロベコのサステナブル投資共同委員会(SI Center of Expertise)所属のサステナブル投資担当クライアント・ポートフォリオ・マネジャーであるKenneth Robertsonは、次のように述べています。「各ファンドの目論見書は、ファンドの分類方法に関する情報など、SFDRの下で求められる変更を反映して改定されています。」

「2023年からは、ファンド単位で、主要悪影響指標(PAI)に関するパフォーマンスの報告を開始します。戦略毎の関連指標については、目論見書及び主要投資家情報文書(KIID)に説明が記載されます。」

「第9条に分類されたファンドでは、全ての悪影響に関する指標が対象になります。第8条及び第9条のファンドでは、定期的なレポーティングの一環として、悪影響軽減のためにとられた措置を年次で報告することになります。」

「個々の商品毎の情報開示に加えて、組織レベルでも、規制の要件に基づき、各種方針や情報を追加的に公表します。これには、新しいサステナビリティ・リスク方針、報酬方針や、ロベコのESG統合の根幹を支える手法やインパクト投資手法に関する詳細などの一連の情報開示が含まれます。」

次のステップ

足下では、「レベル2 RTS」と呼ばれる規制の技術的細則の公表に遅れがみられ、状況を複雑にしています。「レベル2 RTS」は指標や手法の詳細、各条項の正確な意味合い及び技術的基準に関する追加的な指針を規定するものです。2月まで公表されなかったことから、運用機関は準備計画においてレベル1に依拠せざるを得ませんでした。

Robertsonは次のように指摘しています。「言うまでもなく、これでは順序が逆です。金融業界は、具体的なESG制約に関し、分類の実際の技術的細則が公表されるより前に、ファンドを分類する必要に迫られる形となりました。」

「おそらく、ほとんどの運用機関、アセットオーナーが当初の分類を撤回する事態を避けたいと考えるでしょう。このため、レベル2の要件が適用されると、市場全体を通じて、サステナブル投資の水準を引き上げる結果となる公算が大きいでしょう。」

Sustainable Finance Action Plan
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