

セントラル・バンク・ウォッチャー:越えられない山はない
インフレ抑制のために越えられない山はない(必要なだけ利上げを行う)というのが、FRB や ECB を含む先進国市場の多くの主要中央銀行からのメッセージでした。市場の中長期なインフレ期待が比較的安定しているため、このメッセージは信用できると判断されたようですが、それには代償が伴います。
まとめ
- 米連邦準備制度理事会(FRB):最終局面はさらに先送り
- 欧州中央銀行(ECB):保険にはコストが付随
- 日本銀行:国際金融のトリレンマに直面
全般にインフレが大きく低下し始めた環境において、さらに抑制的な水準へと利上げを続けることによって、中央銀行は過剰な引き締めのリスクを意図的に受け入れています。利上げは長期的なインフレ期待と比べて反転させることが容易なため、このリスクは取る価値があると見なされているようです。一方、日銀も他の中央銀行に続いて引き締めに移行するものの、足元でインフレと賃金の上昇ペースが緩慢であることから、引き締めのペースは緩やかになると予想しています。
先進国市場では、多くの中央銀行の利上げサイクルが 7-9 月期期末まで延長されると見ていますが、中国人民銀行を取り巻く状況は全く異なります。中国では、パンデミック後の経済活動の再開や、景気の刺激を目的とする緩和政策の実施といった好材料があるにもかかわらず、経済成長が停滞しています。各中央銀行にとって、“越えられない山はない”の意味するところは異なるようです。
中央銀行の政策金利の見通し

出所:ブルームバーグ、ロベコ、マネーマーケット先物・先渡しに基づく 12 ヵ月先の変化予想。2023 年 7 月 3 日現在
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