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投資に伴うネガティブな側面の評価

投資に伴うネガティブな側面の評価

19-03-2021 | インサイト
サステナブル投資の目的は、地球や社会に害を与えない形でリターンを獲得することですが、人の世の常として、何らかの負の影響が生じることもあります。ここでは、アクティブオーナーシップ・スペシャリストであるAnouk in ‘t Veldが、EUの新規制による悪影響の開示の義務化について説明します。
  • Anouk in 't Veld
    Anouk
    in 't Veld
    Active Ownership Specialist

要点

  • サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)の下、投資による主要なマイナス影響の開示が義務付けられる
  • 事業体レベル及び個々の運用戦略レベルで影響を特定する手法を考案
  • 脱炭素化など、影響緩和に向けた様々な取り組みにコミット

サステナビリティは、長きにわたりロベコのDNAとして息づいてきました。投資プロセスにサステナビリティ要因を統合することは、豊富な情報を適切に反映した投資判断、ひいては長期的なリスク調整後リターンの改善につながるという信念に基づくものです。我々の責務は富の創造にとどまらず、ウェルビーイング(幸福、健康)の創造にも及ぶと考え、これを企業としてのビジョンやミッションに明確に盛り込んでいます。気候変動などの問題よりも利益を優先させれば、短期的にはリターンの改善につながるかもしれませんが、そのような戦略の長期的な見通しは明るいものではなく、今後ますます社会的に許容されなくなるでしょう。

3月10日に金融サービス業界全体を対象にEUのサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)が導入され、27の加盟国において、サステナブル投資に対する規制が過去になく強化されました。SFDRの狙いは、投資プロセスにおいて環境、社会、ガバナンス(ESG)特性に関し、事前に定義された指標を用いることによって、各ファンドのサステナビリティ特性を比較しやすくし、また最終投資家が理解しやすくすることにあります。

具体的には、サステナブル・ファンドを提供する運用会社に、追加的な情報開示義務が課されます。その中には、法人レベル及び金融商品レベルでの「サステナビリティに対する悪影響」の報告も含まれます。基本的に、特定の企業への投資や、究極的にはポートフォリオ全体がもたらす負の外部性を考慮し、報告することが求められます。

負の影響という概念は真新しいものではなく、ロベコでは以前から投資アプローチ全体に組み込んできました。SFDRにおいて新しいフレームワークが提示されたことを踏まえて、6月から主要な悪影響(PAI)を考慮の対象としていきます。主要な悪影響とは、「法人組織が行う投資判断や投資助言に起因するか、それによって深刻化するか、または直接関係する、サステナビリティ要因へのネガティブで重大な、または重大化する可能性の高い影響」と定義されています。

負の影響の特定

ロベコでは、2020年にSFDRのフレームワークが公表されたことを受けて、S&Pコーポレート・サステナビリティ評価(CSA)のデータを基に、必要な指標を捕捉するためのデータポイントを特定しました。義務化される指標それぞれについて、指標の計測手法の概要を整理し、全ファンドに関して影響を評価するためのひな型を作成しました。さらに、各PAI指標に照らしたファンドの実績を評価するための社内向けスクリーニング・ツールを開発しました。

規制の施行時期に間に合わせるために、当初は、2019年11月に公表された「SFDRレベル1」に基づいてPAIのスクリーニングを行い、その緩和措置を講じました。その後2021年2月に、EUから規制の技術的細則(RTS)が公表され、必要な情報開示の内容、手法、表記に関する追加的な指針が提示されました。

この先数ヵ月の間に、「SFDRレベル2」が定める基準に合わせ、PAIのスクリーニング・ツールに、改定後の基準に準拠するために必要な修正などの更新を行います。また、定義の改定や、不動産や国に対するPAIの範囲拡大に合わせた変更も行います。

悪影響の優先順位付け

ロベコでは、SFDRが定めるファンド分類に即し、RTSが提示する基準を用いて、運用戦略毎にPAI指標の優先順位付けを行います。PAIの優先順位は、各ファンドにおけるESGの優先項目やサステナビリティ目標に従い、またスチュワードシップ方針で定めた健全なガバナンスの原則への企業のコミットメントについてロベコが期待する内容に対応する形で決定されます。

組織レベルでは、2021年6月までに、ポートフォリオの保有銘柄から生じる影響の詳細を記載する形でPAI声明を更新し、2022年6月には、PAIに関する組織レベルの実績を初めて報告します。金融商品レベルでは、2022年1月までに、各サステナブル・ファンドにおけるPAIの認識に関する追加情報を、目論見書や主要投資家情報文書(KIID)に掲載します。2023年1月以降には、各指標に照らしたファンドの実績と対象となったPAIに関する説明を、定期的なレポーティングの一環として提供することになります。

悪影響への対応:両面からのアプローチ

ネガティブな影響を特定することと、それに可能な限り対応して軽減することは、次元の異なる問題です。ロベコでは、ESGスコアの活用から議決権行使とエンゲージメントの実行に至るまで、幅広い方法によってこれに対応しています。これらの方法については、サステナビリティ方針とスチュワードシップ方針に記載しています。

ロベコは、個別の運用戦略レベルにおける負の影響の緩和措置に加えて、その長期的な軽減に寄与するため、様々な形でコミットしています。例えば2020年12月には、EUのカーボン・ニュートラル目標に整合する形で、2050年までに全運用資産における温室効果ガスの排出量をネットゼロにすることを宣言しました。

また、2020年9月には、「生物多様性のためのファイナンス協定(Finance for Biodiversity Pledge)」に署名したことを発表しました。この協定は、この10年間に失われた自然を取り戻すよう、世界のリーダーに対して働きかけるものです。また、投資家に対しては、遅くとも2024年までに、協調、エンゲージメント、自らが生物多様性に与えるインパクトの評価にコミットし、生物多様性に関する目標設定や、レポーティングを行うよう呼びかけています。

ロベコの主要な悪影響に関する声明や更なる詳細については、ウェブサイト(robeco.jp)でご確認いただけます。

Sustainable Finance Action Plan
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