

2026年の新たなエンゲージメント・テーマ:気候変動とAIを対象に
ロベコのアクティブオーナーシップ・チームは2026年、気候変動や人工知能(AI)に対応するための3つのエンゲージメント・テーマを新たに設定します。
まとめ
- 気候変動に対する物理的強靭性とソブリン・エンゲージメント
- AIの責任ある利用というテーマでは、エネルギー調達と社会的課題の管理に注目
- 紛争地域および生物多様性という2つの常設テーマは継続
新規設定の気候関連テーマでは、第1に、企業を対象に、深刻化する気象現象への物理的なエクスポージャーと適応準備についてエンゲージメントを行います。第2に、政府を対象に、地球温暖化や脱炭素化への対応について対話を実施します。3つめのテーマでは、世界中に普及し、数兆ドル規模の企業を生み出しているAIについて、その責任ある利用に取り組みます。
紛争地域における人権保護および生物多様性保全という2つの常設テーマも、ガザやウクライナでの紛争が続く状況を受けて、さらにはロベコが先頃発表した「気候・自然移行計画2025–2030」を踏まえて拡充します。これらが、アクティブオーナーシップ・チームがエンゲージメントと議決権行使を通じて投資のサステナビリティ向上に取り組み始めてから20周年という節目の年に取り組んでいくテーマとなります。
「移行(トランジション)とは異なる観点からの気候変動対策として、物理的強靭性(レジリエンス)をテーマとしたエンゲージメントを開始します。洪水、異常気象、水ストレスなど、最も大きなリスクにさらされるセクターに特に注目していきます」と、エンゲージメント・スペシャリストのAlex Mortimerは述べています。Mortimerは、同チームのHarry Ashmanと共にこのテーマを担当します。
「全ての企業は操業地域の状況に何らかの影響を受けますが、こうしたリスクへのエクスポージャーを示す信頼性が高く比較可能なデータは、未だ開発の途上にあります。現状では、入手可能な最善の研究を用いることで、気候の物理的リスクにさらされながら適応計画が不十分な企業を特定する必要があり、同時に、最新の研究結果を常に把握していくことも求められます。」
企業の保有資産が直接リスクにさらされていなくても、事業のサプライチェーンは影響を受ける可能性がある点にも留意すべきです。例えば、農業セクターは、水資源の確保状況や気象条件にどれほど依存しているでしょうか。食品加工工場が危険地域外にあっても、広域にわたる不作が発生し原材料を調達できなくなれば、その企業は操業を停止せざるを得ないでしょう。
ステークホルダー・マネジメント
シニア・エンゲージメント・スペシャリストのAshmanは次のように補足しました。「強靭性や適応の取り組みは、緩和策を代替するものではありません。しかし、脱炭素化が十分な速度で進まない限り、物理的災害の頻度や深刻さは増すばかりであり、強靭性と適応の必要性はかつてなく切迫してきています。」
「これまでの気候関連エンゲージメントの経験を基に、企業がこうしたリスクをどのように評価し、どのような適応策を講じているかを精査します。企業には、自社の事業にとどまらずバリューチェーン全体を考慮に入れ、自然へのアプローチも組入れ、政策当局や地域社会と連携して効果的な取り組みを行うことを求めます。このテーマは、物理的リスクをポートフォリオのリスク管理や投資判断プロセスに統合しようという従来からの取り組みをさらに推し進めることにも寄与します。」
欧州におけるソブリン・エンゲージメント
ソブリン・エンゲージメントは、ユーロ圏内の複数の国の政府を対象に実施します。必要なデータは、各国の低炭素社会への移行管理状況を評価する「ASCOR(ソブリン債の気候関連機会・リスク評価)」プラットフォームから取得します。このデータは、ロベコの「気候ユーロ国債ETF」における銘柄選定の基盤にもなっています。
環境エンゲージメント・クラスターを統括するCristina Cedillo Torresは次のように述べています。「ソブリン・エンゲージメントの分野では、これまでブラジルやインドネシアに対しては森林破壊について、オーストラリアやカナダに対しては気候変動について、既に対話に取り組んでいます。こうした経験を基に、ソブリン・エンゲージメント・プログラムを拡張し、気候変動に関する対話の対象を欧州各国政府へと拡大することとなりました。」
「これは集中的なエンゲージメント・プログラムとなり、過去数年のソブリン・エンゲージメントで得た経験を活かし、頑強な気候政策の重要性について、ロベコが投資プロセスの中で培った視座を積極的に提示するものです。」
AIに関する知見の獲得
テクノロジー企業やマイクロチップ(半導体)企業を対象にした、人工知能(AI)の責任ある利用をテーマとするエンゲージメントには、2つの側面があります。
「第1にエネルギー使用です。AI用のデータセンターは押しなべて膨大なエネルギーを消費し、炭素排出量を大幅に増加させる原因となっています」と、社会的課題エンゲージメント・クラスターを統括するDanielle Essinkは述べています。Essinkは同チームのSamuel Radfordと共に当テーマを主導します。
「そのため、エネルギー使用効率、再生可能エネルギーの利用状況、カーボン・フットプリント、そしてこれらのフットプリントが相殺可能かどうかを検証します。これが環境面の取り組みです。」
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コンテンツと管理
エンゲージメント・スペシャリストのRadfordは次のように付け加えました。「AIが社会的にもたらす影響も重要です。特に誤情報の拡散やコンテンツの監視といった課題は、お客様にとって最大の関心事となっています。AIの利用が拡大する中、適切な統制を確立し、責任ある運用を確保する必要があります。ロベコのエンゲージメントでは、事後対応ではなく事前の対策がなされることを目指します。」
「とは言え、マイナス面だけに注目するわけではありません。AIがもたらす技術革新の機会については依然として非常に前向きに見ています。一部のビジネスモデルでは創造的破壊が起こり得る一方、生産性向上の可能性も存在します。」
紛争地域と自然環境
これら3つの新たなテーマは、紛争地域における人権、および生物多様性という、2つの常設テーマと並行して進められます。企業が紛争地域での操業や調達に際してデュー・デリジェンスを実施する必要性をテーマとするエンゲージメントは2022年に開始され、2025年に終了する予定でした。
Essinkは次のように語りました。「当エンゲージメント開始以降、地域的および国際的な紛争が増加している状況は極めて遺憾です。自社事業やサプライチェーンが紛争地域にある企業は難しい状況に直面しており、人権デュー・デリジェンス強化の重要性はかつてないほど注目されています。」
新たなロードマップへの適合
2021年発表のネットゼロに向けた気候関連ロードマップの更新版として、ロベコが11月に発表した「気候・自然移行計画2025–2030」に従い、当チームは各ポートフォリオ内の水、有害廃棄物、森林破壊に最も大きな影響を及ぼす企業に対し、自然関連エンゲージメント活動を強化します。
シニア・エンゲージメント・スペシャリストのLaura Boschは次のように述べています。「自然関連エンゲージメントの対象範囲を拡大し、自然喪失の要因に大きな影響を与えながら、そうしたリスクを効果的に管理できていない企業を優先対象として取り組みます。」
「ロベコの生物多様性信号(段階別)評価を活用し、自然関連エンゲージメント活動をさらに深化させるとともに、ロベコが先頃発表した『気候・自然移行計画』で公約した目標を着実に履行していきます。」
重要事項
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