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セントラル・バンク・ウォッチャー:悩ましいバランスシート運営

世界の主要中央銀行は、バランスシート運営の課題に対し、それぞれやや異なる歩調で政策運営を進めています。


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    Strategist
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まとめ

  1. 米連邦準備制度理事会(FRB):QT終了を急ぐ
  2. 欧州中央銀行(ECB):(使い古された)正当なキャッチフレーズを繰り返す
  3. 日本銀行:賃金交渉を見極める構え

FRBによるバランスシート縮小の動きが進む中で、米国の金融市場では軋轢が生じつつあります。短期金融市場における資金需給の逼迫を受けて、FRBは「量的引き締め(QT)」を12月1日に終了することを決定しました。ロベコでは、FRBは来年初めにも「準備金管理目的による買い入れ(RMP)」を開始し、バランスシートを名目国内総生産(GDP)の伸びと歩調を合わせて再び拡大させていくと予想しています。その結果、短期金利の上昇圧力はある程度緩和され、12月に利下げが見送られた場合でも、今後数カ月から数四半期にかけてさらに低下していくと見込んでいます。

一方で、ECBのバランスシート縮小政策は順調に進んでいます。シュナーベル専務理事は最近の講演において今後のバランスシート調整の方針を打ち出し、債券保有額の縮小を、QTとは異なる「量的正常化(QN)」のプロセスとして位置付けました。このプロセスを終了しないという同理事の意向は、理事会全体の考え方を反映している可能性が高いようです。

対照的に、中国人民銀行はバランスシート拡大の方向に傾斜しています。10月には、利回りの上昇を抑えつつ、景気を刺激する目的で、中国国債の買い入れ再開を発表しています。

バランスシート運営で最も頭を悩ませているのは日銀でしょう。日銀のバランスシートは1年以上前から縮小傾向にあり、今後2年間にわたって、より速いペースでの縮小が見込まれています。利上げと国債市場における日銀の影響力低下が重なる結果、市場金利は上昇傾向にあります。ロベコでは、高市新政権が金融・財政の緩和を選好する意向を示していることを踏まえて、金利動向を注視していく方針です。

図1 –中央銀行政策金利見通し

出所:ブルームバーグ、ロベコ(マネーマーケット先物・先渡取引に基づく)、2025年11月14日

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