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事実か虚構か:サステナビリティ投資はミレニアル世代の誇大広告に過ぎない?

事実か虚構か:サステナビリティ投資はミレニアル世代の誇大広告に過ぎない?

26-07-2018 | インサイト

サステナビリティ投資は、ミレニアル世代のトレンドに敏感な仲間同士が流行りに便乗しているだけのものと考えられがちです。この世代がサステナビリティ投資に最も関心を持っていることは事実ですが、単なる誇大広告とは言えません。事実、サステナビリティに対する興味は世代を問わず広がっており、その起源は何世紀も遡ります。

  • Guido Moret
    Guido
    Moret
    Active Ownership Specialist
  • Masja Zandbergen
    Masja
    Zandbergen
    Head of ESG integration

要点

  • 年齢を問わず、全世代がサステナビリティに関心を示しています。
  • 国連のイニシアティブに主導される形で、単なる誇大広告を超えた国際的な課題へと発展を遂げました。
  • その起源は、18世紀の奴隷廃止運動に遡ります。

ミレニアル世代はこの問題への関心が高いという調査もあり、よりサステナブル(持続可能)な世界を追求する人の典型といえば、1980年代半ば以降に生まれた人々です。この世代は、両親や祖父母の世代に比べ、よりオーガニック食品を購入し、フェアトレードによるコーヒーを求め、人権に対する意識が高いという傾向があります1

インターネット時代に育った彼らは、サステナブル(持続可能)でない活動を明らかにするような情報に接する機会も多く、政治への関心も高まりました。米国の調査では、ミレニアル世代は「50年間で最も進歩的な世代」であり、その影響で米国は一層リベラル主義の傾向が強まりました2

サステナビリティ投資に関する9つの新たな考え方

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各世代に浸透

しかし、投資に関していえば、ロベコが2017年に実施したオランダの個人投資家の趣向に関する調査結果を見ると、サステナビリティに対する需要は各世代偏りなく広がっていました。50歳以上の約70%がサステナビリティに明確な興味を示したのに対し、その割合は34歳から50歳まででは66%、18歳から34歳までの世代では67%でした。徹底的な分析を経た科学的調査ではないものの、ミレニアル世代に対し、中高年以上の世代のサステナビリティへの関心の高さが明らかになっています。

サステナビリティ・ファンドに実際に投資した人は、50歳以上で28%、34歳から50歳では29%、18歳から34歳まででは26%と、ここでも年齢の違いによる大きな差違は見られず、中高年層でやや高い結果となっています。一方、ポートフォリオにおけるサステナビリティ投資の割合の平均は、50歳以上で29%、34歳から50歳までで30%、18歳から34歳では33%と、大きな差では無いもののミレニアル世代の値がやや高いことがロベコの自社調査で分かりました。

長い歴史

サステナビリティは、決して現代の一時的な流行ではありません。その起源は18世紀の教会に遡り、クエーカー教徒が奴隷取引への投資を拒むという、最初の排除(エクスクルージョン)を実施したことに由来します。近年になると、1960年代に平等な権利に関する法律が初めて制定されたことや、1970年代の環境保護運動などにより、そのスピードは加速しました。エクスクルージョンを最初に大々的に活用したケースとしては、1970年代にアパルトヘイト政策をとる南アフリカへの投資を拒むという事例がありました。 

1987年、国連の「環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」が『Our Common Future(地球の未来を守るために)』という報告書を発表し、当時広範に行われていた森林破壊をはじめとする、天然資源の無秩序な利用という問題に取り組み始めると、この動きは世界規模のものへと発展しました。この報告書は「持続可能な開発」という言葉を提唱したことで最もよく知られており、特に新興国に対し、経済成長追求に伴う環境破壊を回避するよう促すことを目的としていました。この新しい言葉の定義について、委員会のグロ・ハーレム・ブルントラント委員長は、「人類は、開発を持続可能なものとする能力を有する。持続的開発とは、将来の世代が自らの要求を充足する能力を損なうことなく、今日の世代の要求を満たすことである」と記しています3

サステナビリティ投資の真実:“事実”か“虚構”か

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トリプルボトムライン

もう1つの有名な用語「トリプルボトムライン」は、ミレニアル世代ではなく、1995年に英国で、壮年のビジネスマンによって生み出されました。ジョン・エルキントンは、どのような組織でも(利益だけではなく)「People(人)、Planet(地球)、Profit(利益)」という3つのPを考慮することが必要と唱え、社会が長期的に繁栄するためには、それぞれが同等に重要だと提唱しました。この概念が環境・社会・ガバナンス(ESG)へと発展し、現在ではほとんどのサステナビリティ投資プロセスの根底を成すまでになっています4

「サステナビリティ投資」という用語とテーマは、その後の10年で投資家が次第に真剣に捉え始め、一般的に使用されるようになりました。その後は「倫理投資」「責任投資」、より最近では「社会的責任投資(SRI)」など、さまざまな変遷を経た後、ESG要因を取り入れた多種多様な投資戦略をうまく捉えた「サステナビリティ投資」が、最も適切な呼び方として定着しています。

「誇大広告」かどうかという観点では、サステナビリティの真のグローバル化は、2015年にパリで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)でおそらく最高潮に達したといえるでしょう。そこで、地球温暖化を産業革命前に比べて2度未満に抑えることを目指す「パリ協定」が採択されました。翌2016年、国連が「アースデイ(地球の日)」に制定した4月22日に、174ヵ国がパリ協定に署名しました。

このように、サステナビリティ投資は、従前は確かに傍流の概念でしたが、現在は明らかに転換点にあり、後戻りはあり得ないといえるでしょう。

1 Produce Retailer, ‘Younger consumers buy more organics’, (若い消費者はより多くのオーガニック商品を購入)」
2 The Millennial Pendulum: A new generation of voters and the prospects for a political realignmen(新世代の有権者と政治再編の可能性)、 2009年
3 環境と開発に関する世界委員会による報告書:‘Our Common Future(地球の未来を守るために)」
4 John Elkington, ‘Enter the triple bottom line2004年

サステナビリティ投資
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