「クオンツ運用では企業文化が極めて重要」

「クオンツ運用では企業文化が極めて重要」

23-02-2017 | インタビュー

クオンツ運用は次第に広く受け入れられつつあります。しかしながら、こうした発展過程には常に産みの苦しみが伴います。コンサバティブ株式戦略責任者のPim van Vlietに、投資機会や落とし穴、また企業文化や哲学が極めて重要であるという理由について聞きました。

  • Pim  van Vliet, PhD
    Pim
    van Vliet, PhD
    Managing Director, Head of Conservative Equities - Pim van Vliet

クオンツ運用はいよいよ成熟期に達したと言えるでしょうか?

「クオンツ運用は今や成熟期の入口にあると言って差し支えないと思います。コンサルタントは、アクティブ・ファンドに加えて、クオンツ商品の評価、格付も行い始めています。一方で、未知の、確立していない部分があるのも事実です。現在のクオンツ・ファクター運用への関心の高まりは、何か一つうまくいかないことがあると瞬時に消えてなくなることもあり得ましょう。これは、市場がまだ完全には成熟していないことを示しています。例えば、極めて脆弱なバックテストを使用して販売が行われているクオンツ商品が未だに存在する一方で、投資家は『紙の上での運用成績』と実際の運用に基づく『運用成績』の間に大きな違いがあることを忘れがちです。」

「クオンツ商品を販売する側、購入する側の双方が十分に批判的な目をもって当たらなければ、問題が発生しかねません。ビジネスの成長を目指す資産運用会社は、今やこぞってクオンツを有望分野と見て取り組んでいます。その一方、クオンツ運用を提供するには、単に頭脳明晰な人材を2~3人採用し市場データでバックテストを実施するだけでは不十分なのです。クオンツ商品への需要増加や市場の成長に伴い、今後は実際のトラックレコードと市場からの確固たる評価が一層重要性を増していくでしょう。」

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では、実証された、強固なモデルがあるだけでは不十分ということですか? 適切な人材と投資哲学はどの程度重要なのでしょうか?

「不可欠と言えます。今後は、資産運用会社の性格を決定付ける企業文化や哲学への注目がますます高まるでしょう。戦略の裏側にある哲学、モデルの背後にいる運用担当者が追求する投資理念こそが、違いを生むのです。勿論どのクオンツ運用ファンドも魅力的なバックテストを示しているでしょうが、適切な企業文化がなければ、紙の上の運用益はあくまでも紙の上のみにとどまります。当社のクオンツ運用哲学は3本の柱に支えられています。それは、運用戦略は実証に基づくものであること、慎重、堅実であること、経済原理に基づくことです。第一の柱は言うまでもないものです。実際に当社では90年前まで遡るデータベースを有し、それは競合他社の多くを凌ぐものとなっています。しかしながら、当社が真に他から抜きん出ているのは、第二と第三の柱と言えます。」

「クオンツにとって最大のリスクはデータマイニング、すなわち、データが限定的であるせいで、結果的にモデルを過剰に適合させてしまうリスクです。我々の経験では、最も『適合された』複雑なモデルほど、実際のパフォーマンスは非常に悪くなることがよくあります。現実に実施、実行することこそが極めて重要なのです。資産運用会社やインデックスプロバイダーであればどの企業でも、ファクター商品を作り上げることはできます。一方で、クオンツ分野でトップに立つ企業には、例えば1999年、2007年、2009年といった困難な年を含む様々な市場サイクルを実際に経験し熟練した人材が多くそろっているのです。」

「現在は市場が急成長している過程であり、玉石混交の状態にあります。顧客の皆様にとっては、多種多様な企業の違いをきちんと評価することが非常に重要です。このため、独立系コンサルタントがクオンツに真剣に目を向けるようになっているのは歓迎すべきことです。投資家には、懐疑的な見方を程よく維持し、上手い話に惑わされないようにすることが求められます。金融商品(とその売り手)の真の価値を評価するには、一連の市場サイクルを通じたパフォーマンスに目を向ける必要があります。現在のところ、10年のトラックレコードを持つクオンツ・ファンドはごく少数しかありません。またスマートベータ指数については、ほぼ全てが比較的最近のものであるため、実証が十分ではありません」

ロベコのクオンツ運用は、一般に考えられるほど「クオンツ」的ではないということですか?

「クオンツは、データを打ち込んでハンドルを回せばリターンが次々に出て来る機械ではありません。『人の手によって成り立つもの』なのです。アルゴリズムを魅力的なパッケージで包んで販売するだけでは、決して成功するものではありません。ロベコのクオンツ・ファクター運用は一般に考えられているよりも、ファンダメンタル運用に近いのです。確かに、我々の運用は高度にシステマティックなものですが、同時にファンダメンタル運用における強みも組み入れています。すわなち、ポートフォリオを理解し、シンプルに保ち、お客様の立場に立って考え、過度に取引を行わないよう心掛けています。」

「ファンダメンタル運用ファンド同様、クオンツにも多種多様な商品性があるという認識は広まりつつあります。CTAファンドや高頻度取引型クオンツ運用ファンドがある一方で、売買回転率の低い保守的な商品もあります。コンサバティブ株式戦略は当社のクオンツ運用のカテゴリーに入りますが、投資哲学や売買回転率は、他のクオンツ運用会社が提供するファンドよりも、むしろロベコの他の株式ファンドの方により類似していると言えます。」

クオンツは、ポートフォリオにおいてどんな役割を果たすことが期待できますか?

「コンサバティブ株式戦略の要は安定的なリターンと高配当です。これは多くの投資家が十分に認識していることですから、ここでその仕組みに踏み込むことはいたしません。投資家の皆様は、高配当ファンドの代替としてこの戦略を活用することもできるでしょう。他社のインカム商品との重要な違いは、当戦略で実証済みの、リスク水準の軽減です。この戦略を導入することにより、積立金のカバレッジレシオの安定性向上も期待できますし、また既保有のライフサイクル・ファンドに追加で組み合わせるのも効果的と考えられます。従来のライフサイクル・ファンドは、当初は株式の配分を高くし、時間の経過に従って徐々に債券にシフトしていきます。コンサバティブ株式戦略を活用すれば、株式のポジションをより長期にわたって維持することが可能になります。」

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