FRBとECBは引き締めサイクルの終点に近づきつつありますが、ECBの場合、コアインフレ率の粘着性の高さやユーロ圏における賃金動向に鑑みると、一時停止するのはもう少し先になります。先行きを展望すると、欧州と比べて、米国においてインフレ圧力が後退する可能性が高く、いずれ景気後退に陥った場合には、FRBの方が早期に利下げに踏み切る公算が大きいと予想しています。
これに対して、日本銀行は引き締めサイクルに着手したところであり、「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の再修正に向けた秒読みが始まった段階です。日本経済は、過去数十年間にわたって続いたデフレと賃金のゼロ成長というレジームから、ようやく脱却しつつあるように思われます。
一方、中国では物価上昇圧力が依然として弱いことから、中国人民銀行は預金準備率(RRR)の引き下げを通じて緩和バイアスを維持しています。このことは、政策金利の初回利上げのタイミングが、市場の想定よりも遅くなる可能性を示唆しています。
世界の債券利回りは、2月に上昇した後、再び低下しました。これは、銀行の貸出状況が引き締まり、追加的な金融引き締めの必要性が薄れたと考えられるためです。主要な中央銀行が利上げサイクルを一時停止する時期がいよいよ近づく中で、利回りはさらに低下する見通しです。
中央銀行の政策金利の見通し

出所:ブルームバーグ、ロベコ、金利市場の先物とフォワードから推計する 12 か月の政策金利、2023年4月5日現在
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