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ロベコでは95%がサステナブルと分類 ー 業界には「様々な色合いのグリーン」が存在

ロベコでは95%がサステナブルと分類 ー 業界には「様々な色合いのグリーン」が存在

22-04-2021 | インサイト

EUのサステナブル投資市場を一新させる規制の施行から1ヵ月超が経過しました。その目的は達成されているのでしょうか。あるいは、運用機関それぞれが解釈を試みることにより、「様々な色合いのグリーン」となっているのでしょうか。

  • Kenneth Robertson
    Kenneth
    Robertson
    Client Portfolio Manager - Sustainable Investing
  • Masja Zandbergen - Albers
    Masja
    Zandbergen - Albers
    Head of sustainability integration

要点

  • サステナブル・ファイナンス開示規則(SFDR)の施行後、1ヵ月超が経過
  • ロベコのファンドの95%が第8条か第9条に分類
  • 「様々な色合いのグリーン」を見極めるため、適切な質問を投げかけることが肝要

先般施行されたサステナブル・ファイナンス開示規則(SFDR)の下で、ロベコのほぼ全てのファンド(95%)がサステナビリティ特性に適合するファンドとして分類されました。これは資産運用業界の平均を大幅に上回る水準であり、幸先の良いスタートと言えるでしょう。

ルクセンブルグ籍ファンドの約半数を対象とした暫定的なデータを基に、モーニングスターが先頃実施した調査によると、SFDRの第8条および第9条が定めるサステナビリティ特性に適合すると分類されたファンドは、約2.5兆ユーロ規模の欧州のファンド全体の21%(ファンド数ベース)、25%(運用資産残高ベース)に相当することがわかりました。

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欧州の運用機関各社の運用資産残高に占めるSFDR適格ファンドの割合
出所: モーニングスター

規制の名称が示唆するように、SFDRの下で、運用機関は投資商品に内在するサステナビリティ水準の開示を求められるようになり、商品の比較は容易になりました。各ファンドが本当にサステナブルなのか、それとも、運用機関はグリーンウォッシングに甘んじているに過ぎず、見せかけのサステナビリティを標榜しているだけなのかを、最終投資家が判別できるようにすることが当規制の目的です。

ファンドを分類する条項

SFDRの中で特に広く認知され影響力がある要素は、ファンドや個別運用口座を第6条、第8条、第9条という3つのカテゴリーに分類する点です。第6条には、投資プロセスにおいてサステナビリティを促進しないファンドが該当します。第8条には、環境や社会的な特性を促進するファンドが該当します。第9条には、個別のサステナビリティ目標を掲げるファンドが該当します。

ロベコでは各戦略を「サステナビリティ・インサイド」、「サステナビリティ・フォーカス」(両者とも第8条ファンドに分類、合わせて全体の83%)、「インパクト投資」(第9条ファンドに分類、全体の12%)の3つに分類しています。サステナビリティを促進すると分類されたファンドは全体の95%に達します。全体の5%だけが、サステナビリティを統合していないファンドとして第6条に分類されました。サステナブル投資の先駆者であるロベコにとっては、これは、いわば「通常通りの業務運営」と言えます。

ロベコのファンドの分類状況  出所: ロベコ

ロベコのESG統合責任者であるMasja Zandbergen は次のように述べています。「ロベコは25年に及ぶサステナブル投資の経験があります。1999年にはロベコ初のサステナブル株式ファンドを、また2001年には世界初のサステナブル・ウォーター・ファンドを設定しました。2006年には国連責任投資原則(UN PRI)に署名しています。また、10年以上前から、ESGを全運用戦略に統合しています。」

「SFDRは新たに課された規制ではありますが、ロベコでは、既に四半世紀にわたりサステナビリティの構成要素を採り入れてきました。多くの運用機関がこの先数年間にサステナブル・ファンドの比率を引き上げることにコミットしているようですが、ロベコにおいては、既に大部分のファンドが第8条と第9条に分類されています。この分類比率の高さこそが、長年のサステナブル投資の実績の裏付けであると考えています。」

「とは言うものの、実際の作業が容易だったわけではありません。ファンドの分類に際しては、7段階から成る徹底したプロセスを採用しました。これは、ロベコがその定評どおり非常に意欲的に対応した結果と言えますが、一部ではさらなる改善が必要な分野もありました。」

「ロベコでは、サステナビリティ・リスク方針を拡充、実践し、公表しました。また、具体性をさらに向上させ、全てのファンドについて、ESGの実施状況やリスク、データソースを記載したファンド書面を公表しました。見たところ、市場参加者の多くは既存の方針を提示するに留まっているようですが、ロベコでは、透明性について、さらに踏み込んだ対応を行ったのです。」

様々な色合いのグリーン

SFDRが3月10日に施行されてから、1ヵ月超が経過しました。端的に言って、期待した効果は「まだ」生じていないようです。規制により、「聖杯」のような至高の目標の達成が期待されていましたが、実際には、試行と共に「様々な色合いのグリーン」が生まれる結果となりました。もっとも、投資家にとっては、運用機関に運用を委託するに先立って、鋭い質問を投げかけるのに役立つツールを得たことになるでしょう。

SFDRの分類システムと透明性要件によって、サステナビリティを統合しているファンドとしていないファンドの間に一定の線引きはなされました。しかしながら、運用機関による対応状況にはばらつきがあり、今後整合を図ることが必要です。

ロベコを含み、各運用機関は、自らの査定に基づいてファンドを分類しており、現時点では各運用機関の分類方法には違いが見られます。各ファンドに求められる、サステナビリティの適用方法に関する詳細な開示が始まると、追加的な情報、知見が得られるでしょう。 

ロベコのサステナブル投資共同委員会(SI Center of Expertise)所属のクライアント・ポートフォリオ・マネジャーであるKenneth Robertsonは、次のように述べています。「SFDRの主要目的の1つはグリーンウォッシングの防止ですが、お客様としては、同一分類の中にも様々な色合いのグリーンが存在することを、十分認識しておくべきでしょう。」

「例えば、ロベコでは、ESGを統合した(通常の)運用戦略とサステナブル投資戦略を、いずれも第8条に分類しています。このため、水面下に隠れた状況を理解せずに、表面的なラベルだけで判断しないよう心掛けることが重要です。実際の開示情報を読み、運用機関に必要な質問を投げかけ、回答を求めるようにしてください。」

レベル2が不透明感の解消に寄与

評価に関する規制であるレベル1から、より詳細な要件を定めるレベル2に対応する段階に移れば、ある程度は不透明感の解消につながるでしょう。レベル1規制では、規制当局が具体的に何を求めているのかが明確ではありませんでしたが、レベル2規制において、追加的な透明性が提供されています。その結果、ファンドを第8条や第9条に分類するための要件は、より厳格になるでしょう。

Robertsonは次のように述べています。「とは言うものの、SFDRはその名の通り、透明性の拡充を要求するもので、実際に採るべきアプローチに関する規定は比較的少ないため、理論上はグリーンウォッシングの余地が相応に残されています。」

「前向きな動きとしては、運用機関は近い将来に、グリーンタクソノミーとの整合性や、投資先企業が社会全体に与えるネガティブな影響の詳細を反映した18の悪影響指標について、報告を求められるようになります。」

「指標の中には、カーボン・フットプリント、企業が生物多様性に与える影響、取締役会におけるジェンダーの多様性などの課題が含まれています。また、運用機関には、今後の進捗や、各指標において前進を図るためのアプローチ(もしあれば)を示すことが求められます。」

グリーンウォッシングの防止

Robertsonによると、悪影響指標は、規制の精神を真に順守しているファンドとそうでないファンドを投資家が見極めるのに役立ち、グリーンウォッシングの防止につながります。「一方で、お客様としては、投資を検討するファンドについて、投資プロセスやサステナビリティの統合状況を引き続き詳細に分析することが極めて重要です。」

「この1ヵ月間、同規制が業界でさまざまな解釈をなされてきたことは明らかです。そして、現時点で規制当局は、解釈の妥当性について立場を明確にしていません。したがって、当規制の成功は、現時点ではお客様の対応いかんに掛かっています。」

「最終的には、お客様が実際にポートフォリオへの影響度の測定基準にアクセスし、的を射た鋭い質問を投げかけるようになれば、資金を動かしグリーンウォッシングを削減するという、SFDRの目標は達成されることになるでしょう。」 

重要事項

当資料は情報提供を目的として、Robeco Institutional Asset Management B.V.が作成した英文資料、もしくはその英文資料をロベコ・ジャパン株式会社が翻訳したものです。資料中の個別の金融商品の売買の勧誘や推奨等を目的とするものではありません。記載された情報は十分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、意見等は、過去の一時点あるいは過去の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また、記載された投資方針・戦略等は全ての投資家の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。

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