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債券アウトルック:コロナ・ショックと「Baa」字型回復

債券アウトルック:コロナ・ショックと「Baa」字型回復

01-04-2020 | 四半期アウトルック
債券投資の投資機会は、安全な国債から急速に社債へとシフトしています。私たちは慎重な銘柄選択をお勧めすると共に、新興国市場には注意が必要と考えます。
  • James Stuttard
    James
    Stuttard
    Head of Global Macro team and Portfolio Manager
  • Michiel de Bruin
    Michiel
    de Bruin
    Portfolio Manager Global Macro Fixed Income

要点

  • AAA 格の国債から社債へと迅速にシフトする債券投資の機会
  • 新興国市場では特に注意深く選別することが重要
  • 景気回復のための従来の道筋は機能しないかもしれず、ロベコでは異なる道筋を提案

ショックの後

欧米経済は、新型コロナウィルスによる経済ショックの規模を示す最初の兆候を示し始めたばかりですが、市場は回復を期待したがっている模様です。確かに、我々は、Baa 格等、ハイイールド債より高い格付けの社債において、戦略的に長期的視野での投資機会を期待しています。しかし、経済成長見通しについては、一部想定されている軌道には懐疑的な見方をしています。

欧米の市場参加者は、将来の成長性についてV(V 字回復のように経済成長を形づけるアルファベット)、U、W、またはL 等の文字に象徴される、固定シナリオを持つことが多いです。しかし、これは説明する際の文書作成の常套手段であるだけでなく、新型コロナウィルスにとっても誤った選択だと考えています。

何故なら、西洋のアルファベットが、古代ローマ帝国の時代から存在しているからといって、その文字が最良の経済学的ガイドとはならないからです。V とW の文字は、その急激な反発と平均回帰の仮定を含んでおり、2008 年以降の構造的トレンドと比較すると、1945~2007 年のような前時代的なシナリオのように思われます。U は10 年間の低成長率と低金利を無視しているように見えますし、L は日本に適しているように思われます。

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アラビア語に転換:Baa 字型の軌道

新型コロナウィルスは、市場と経済に新たな問題を提起しています。すなわち、疫学者たちは新規感染の2 次導関数である(米国債やクレジットスプレッドのマチュリティー・カーブではなく)感染曲線のフラット化といった、我々と競合する理論とシナリオを持っています。

2020~21 年の成長の軌跡は、アラビア語の「Baa'」の語末形(アラビア文字が文の最後にある時の文字の形)によって表現されていると考えます(図1)。長期成長傾向が低く、低金利で、高齢化が進んでおり、負債が高い時代には、アラビア文字の細長い水平スイープは西洋の文字よりも適しているように思われます。

図 1 | アラビア文字「Baa’」の語末形

出典: 公開情報、ロベコ
したがって、ここからの経済の道筋は、Baa'型になると考えています。V とW はドイツの自動車メーカーに、U は水まわり(排水管の形)に、L は運転初心者(Learner Plate)に任せることとしましょう。

マクロ経済見通し

コンセンサスでは、第2 四半期(4-6 月期)の米国GDP 成長率を-16%(前年同期比、年率)、2020 年通期は-1.5%と予測しています。最近の証券会社による予測では、ユーロ圏第2 四半期の予測は米国とほぼ同様で、2020 年通期の予測は-3.5%となっています。成長性と収益性の低下、国債及び社債の格下げは終わったわけではないと考えています。以上をまとめると、我々の基本的な予測では、米国とユーロ圏の2020 年の実質GDP 成長率は、少なくとも2009 年通年のマイナス成長時と同様に、それぞれ約-3.0%、-4.5%となると予測しています。

大規模な財政出動を踏まえ、財政赤字がGDP 比8~12%以上になると予想されます。これは短期的に必要なことです。しかし、これは、将来の政府債務と財政負担の増大をもたらすことも事実です。

債券セクター配分

債券投資の機会は、安全な国債から急速に社債へとシフトしています。

投資適格債のロング・ポジションと、BB 格ハイイールド債のロング・ポジションを徐々に構築することが、最良の資産配分であると考えています。エマージングマーケット(新興国市場)に対してはハードカレンシー、現地通貨建て共に慎重で、新興国通貨はクレジットのロング・ポジションに対するリスクヘッジと考えています。新興国債券は、回避すべき銘柄が数多く含まれていると考えています。

社債市場における主要な投資機会

2019 年第2 四半期~第4 四半期の全ての期間において、社債市場の投資機会は非常に限定的でした。スプレッドがタイトで、バリュエーションとファンダメンタルズの両方が後期のサイクルにある場合、キャリーを追う短期的なインセンティブがあったとしても、規律正しく忍耐強い運用姿勢を貫くことが非常に重要です。弊社の総合型戦略においては、新型コロナウィルスの影響によるボラティリティの上昇を利用し、ユーロ建て投資適格債の組入比率をオーバーウェイトとし、米ドル建て投資適格債の組入比率をアンダーウェイトとしています。クレジット・ベータは1をやや超える水準とし、ハイイールド債はネットベースでウェイトを正味0としています。これは、ここからの投資機会の獲得に向けて、余力を蓄えている状態を構築したと言えます。

2020 年 3 月の変化がもたらしたことはなんでしょう。現在のスプレッドの水準は、1930 年代以降、3 回目(1980 年代初頭、2008 年、現在(FRB、ICE、 BofAML による))となる非常に拡大した水準に位置しています。政策立案者たちは、ECB とイングランド銀行に続き、米 Fed が社債の買い取りで介入を始めました。

何を買うべきか?

我々は、投資適格社債、特に新発債、米ドル建て長期債が最も魅力的と考えており、ボトムアップにより財務状況の質と循環的な回復力を探ります。その他、ユーロ建て投資適格債を選好し、続いてユーロ及び米ドルの非エネルギーBB 格債券が魅力的と考えています。

重要事項

当資料は情報提供を目的として、Robeco Institutional Asset Management B.V.が作成した英文資料、もしくはその英文資料をロベコ・ジャパン株式会社が翻訳したものです。資料中の個別の金融商品の売買の勧誘や推奨等を目的とするものではありません。記載された情報は十分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、意見等は、過去の一時点あるいは過去の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また、記載された投資方針・戦略等は全ての投資家の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。

ご契約に際しては、必要に応じ専門家にご相談の上、最終的なご判断はお客様ご自身でなさるようお願い致します。

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