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SDGsにプラスの貢献をもたらすセクターのクレジットリスクは低水準

SDGsにプラスの貢献をもたらすセクターのクレジットリスクは低水準

20-11-2019 | インサイト
過去の投資パフォーマンス・データの分析により、SDG投資に関するロベコの見解が実践上でも正しいことが確認されました。持続可能な開発目標(SDGs)への貢献度スコアがポジティブまたは中立となったセクターは、SDGスコアがネガティブとなったセクターよりも、クレジットのダウンサイドリスクが小さいことが分かりました。
  • Guido Moret
    Guido
    Moret
    Head of Sustainability Integration Credits

要点

  • 50のセクターについて、過去5年間のクレジットのリスク・リターンとデフォルト実績を分析しました。
  • SDGスコアがポジティブまたは中立となったセクターの投資パフォーマンスは、ネガティブとなったセクターを上回りました。
  • クレジット・ポートフォリオにおけるSDGsのスクリーニングは、ダウンサイドリスクの軽減に役立ちます。

将来躍進する企業を特定

ロベコでは、SDGsを投資戦略に組み込むことにより、ポートフォリオに潜在する追加的リスクの源泉を認識できると考えています。2015年に国連によって採択されたSDGsは、ESGに関連する企業行動や企業のサステナビリティ特性を評価する枠組みとして、幅広く採用されてきました。

SDGsの達成に役立つソリューションを提供する企業やセクターは、将来の勝ち組候補であり、同時に魅力的な投資候補にもなり得ます。反対に、SDGsに取り組まない企業やセクターは、業務運営面および財務面で深刻な打撃に直面する可能性があります。例えば、罰金、免許はく奪、風評被害リスクなどです。最終的には投資妙味を損なうことにもつながりかねません。

こうした傾向から得られるプラスの効果を捉え、より効果的にリスクを管理するために、ロベコはロベコSAMのSDGフレームワークに基づく独自のSDGスクリーニング手法を活用しています。このスクリーニングが、クレジット選択プロセスの出発点となります。企業が何を生産しているか、どのように生産しているか、論争となる問題に関与していないかを見極める3段階の手法です。クレジット発行体に対するSDGスクリーニングの結果として、-3(SDGsへ貢献度が大きくマイナスである発行体)から+3(SDGsへの貢献度が大きくプラスである発行体)までのSDGスコアを付与します。

ロベコが運用するSDGクレジット・ポートフォリオでは、SDGスコアがネガティブの発行体は除外され、スコアが中立からポジティブの発行体のみが投資対象となります。このスクリーニング・プロセスの結果、投資ユニバースの24%がネガティブのスコアとなり、ロベコのSDG戦略の投資対象候補から除外されています。

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SDGsへの貢献度に照らして投資パフォーマンスを分析

SDGsにプラスに貢献している企業が発行する社債が、マイナスに貢献する企業の社債よりも良好な投資結果をもたらす傾向にあるというロベコの見解を、実践において検証するために、50のクレジット・セクターについて過去5年間にわたるデータを分析しました。

まず、ロベコのSDGスクリーニング手法で付与されたSDGスコアを使用し、セクター全体に対するSDGスコアをバークレイズのセクター・インデックスに適用しました。

次に、全セクターを、SDGスコアがポジティブ(+1から+3まで)のセクター、SDGスコアが中立(0)のセクター、SDGスコアがネガティブ(-1から-3まで)のセクターという3つのグループに集約し、理論上のポートフォリオを3種類構築しました。

セクター別のスコアは?

分析対象となった50セクターのうち、10セクターのSDGスコアがネガティブとなりました。その一方、17セクターのSDGスコアがポジティブでした。残りは中立のスコアとなりました。

この調査結果から、SDGスコアがネガティブのセクターとポジティブのセクターの間では、投資パフォーマンスに大きな差異があることが明らかとなりました。

卓越したリスク・リターン特性、優れたデフォルト実績

このデータは、過去5年間において、SDGスコアがポジティブまたは中立のセクターの方が、SDGスコアがネガティブのセクターよりもリスク・リターン特性が優れていたことを示しています。言い換えると、リターンが希薄化されることなしに、リスクは低水準に抑えられていました。この調査結果は、投資適格社債とハイ・イールド社債の双方に当てはまるものでした。スコアがポジティブおよび中立だったセクターと、ネガティブだったセクターとの差は、ハイ・イールド社債でより顕著に表れました。

図表1:投資適格社債-リスク・リターン、5年間の推移

出所:バークレイズ、グローバル投資適格ユニバースに基づきロベコが算出したデータ。期間は2019年8月までの5年間。上記の図表は例示目的で提示しているものであり、ロベコの特定の運用戦略の運用実績を示すものではありません。

図表2:ハイ・イールド社債-リスク・リターン、5年間の推移

出所:バークレイズ、グローバル・ハイ・イールド・ユニバースに基づきロベコが算出したデータ。期間は2019年8月までの5年間。上記の図表は例示目的で提示しているものであり、ロベコの特定の運用戦略の運用実績を示すものではありません。

SDGスコアがポジティブおよび中立のセクターの方が、リスク・リターン特性が上回る結果となったのは、SDGスコアがネガティブのセクターに比べてクレジットリスクが低いことによるものです。そして、重要なのは、リターンを犠牲にすることなくリスク低減が達成されていたことです。

ポートフォリオ・リスクが低水準であることはまた、デフォルト実績の差にもつながっています。過去5年間のデータを検証すると、SDGスコアがポジティブのセクターは、中立のセクターよりもデフォルト率が低いことが分かります。さらに、ポジティブおよび中立のセクターのデフォルト率は、SDGスコアがネガティブのセクターよりも低くなっています。

図表3:12ヵ月ローリング平均デフォルト率

出所:バークレイズ、JPモルガン、バンクオブアメリカ・メリルリンチ、ロベコ算出データ。期間は2018年12月までの5年間。上記の図表は例示目的で提示しているものであり、ロベコの特定の運用戦略の運用実績を示すものではありません。

分析の精度を高める:セクター単位に留まらず、より詳細を検証

上記の分析はセクター単位の投資パフォーマンスのみに焦点を当てたものであり、個別銘柄のパフォーマンスを検証したものではないという事実も重要です。ロベコのSDG測定フレームワークでは、3段階のスクリーニング・プロセスを適用して、個別企業のSDGスコアを導き出しています。あるセクターのSDGスコアがネガティブの場合でも、セクター全体を除外することはありません。むしろ、セクターのスコアはあくまでも基準点であり、そこから、各発行体企業が何を生産しているか、どのように生産しているか、論争となる問題に関与していないかを見極めるのです。このプロセスを通じて、各企業のSDGsへの貢献度に基づきスコアが調整されます。

セクター全体のSDGスコアをセクター別の投資パフォーマンスに照らし合わせて実施したロベコの実証分析で、より堅調な投資成果を生み出すポートフォリオと、中立からポジティブのサステナビリティ・スコアとの間には正の相関関係があることが示されました。SDGクレジット戦略のトラックレコードが積み上がるに従って、より長期間のデータが蓄積され、この相関関係をさらに精緻に分析することが可能となるでしょう。とりわけ、企業単位の分析は非常に興味深いものとなりましょう。同じセクター内に、SDGスコアが大きく異なる発行体が存在するセクターであれば尚更です。とはいえ、今回の調査結果においても、クレジット選択プロセスにサステナビリティ基準を統合するというロベコの取り組みの正当性、そしてサステナビリティ統合が優れた投資成果をもたらす健全なポートフォリオ構築につながるというロベコの信念は十分に実証されたと言えましょう。

重要事項

当資料は情報提供を目的として、Robeco Institutional Asset Management B.V.が作成した英文資料、もしくはその英文資料をロベコ・ジャパン株式会社が翻訳したものです。資料中の個別の金融商品の売買の勧誘や推奨等を目的とするものではありません。記載された情報は十分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、意見等は、過去の一時点あるいは過去の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また、記載された投資方針・戦略等は全ての投資家の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。

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