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クレジット・アウトルック:「共通の敵」

クレジット・アウトルック:「共通の敵」

24-03-2020 | 四半期アウトルック

クレジットスプレッドは過去最低水準から景気後退期のワイド化した水準へと移行しています。クレジット資産に投資する良い機会となるでしょう。

  • Victor  Verberk
    Victor
    Verberk
    Deputy Head of Investments, Robeco
  • Sander  Bus
    Sander
    Bus
    Co-head Credit team
  • James Stuttard
    James
    Stuttard
    Head of Global Macro team and Portfolio Manager

要点

  • 新型コロナウィルスは金融危機に匹敵する経済ショックを誘起
  • 当局は財政・金融刺激策で対応を急ぐ
  • スプレッドは今次サイクルの最低水準をつけたのち、僅か4週間で過去80 年間で4回しか達したことのない水準まで拡大

ロベコの債券ストラテジスト兼グローバルマクロ・チーム責任者であるJamie Stuttardが、クレジット・チームの最新の市場見通しと、それを受けたポートフォリオのポジションニングについて解説します(英文)。

この3か月でどれだけの変化があったのでしょうか。昨年12 月時点では、株式市場のバブルが膨らみ、投資家が利回りを追求する後期サイクルが続いていることを確認しました。現在、我々は、世界的な景気後退や株式市場の暴落を目の当たりにし、クレジットスプレッドは過去最低水準から景気後退期のワイド化した水準へと移行しています。

世界は今や共通の敵を抱えています。世界は、新型コロナウィルスに打ち勝ち、深刻な景気後退を避けるために協力し合わなければなりません。政策当局は、民間セクターに対し、財政及び金融面での支援を行っています。政府と銀行は、負の影響を抑制するために、お互いに協力し合う必要があります。

短期的には、経済に対する悪影響は大きく、市場参加者は痛みを抱え、現金の確保を急いでいます。しかし、市場は、新型コロナウィルス問題の安定化と景気刺激策を通じて、その先を見出そうとするでしょう。
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The Market Cycle - Mapping our view on market segments

出典:ロベコ、2020年3月

深く、長期的かつ循環的な問題が引き起こしたショック

最も長い景気拡大は突然終わりました。拡大の終焉自体は驚きではありませんが、外生的なショックの性質、その速度、成長鈍化の大きさは経験したことのない驚くべきものです。しかし、たしかに新型コロナウィルスはこれらを引き起こした要因の一つですが、現在の出来事は新型コロナウィルスだけではないと確信しています。それは、深く、長期的かつ循環的な問題が大きく影響しています。

債務のスーパーサイクルについては、当社はこれまでの「クレジット四半期アウトルック」で議論してきました。中国の民間セクターの債務は、金融危機以前の4.5兆米ドルから今日の30兆米ドルへと増加し、長年にわたってグローバルな不均衡は拡大してきました。米国の対外純投資残高は、11兆米ドルのマイナスで、金融危機以前の5倍に達しています。社会的不平等は、1920年代以降には見られなかった水準にまで上昇しています。

11年間にわたるリスクの蓄積の結果、不均衡は拡大しました。非常に緩和的な中央銀行の政策(例えば、2014~17年)によって、株式市場バブルは増大し、貸出基準は厳格化を失いました。ドイツや日本など、多くの開かれた国は、重商主義や貿易緊張によって打撃を受け、2020年以前からすでに弱まっていました。

異常な過剰と実体経済の弱さの組合せは、経済と市場の双方に負のショックに対する脆弱性をもたらしました。外生的なショックや暴落の引き金がどのようなものになるのか、予見することは不可能です。もし、それが分かるのならば、市場価格はそれを反映し、暴落が起こることはないでしょう。

今回の事象についても同様です。グローバル的な景気後退は今や避けられず、米国のGDPが前年比4%近く下落したグローバル金融危機の時と同じくらい深刻な状況になる可能性があります。クレジットスプレッドはすでに深刻な景気後退を織り込みつつあります。

この弱気相場では、金融・財政当局による政策対応を含め、あらゆることがより速いスピードで起こっています。当局は明らかに2008年の経験から学び、さらに速やかに展開する用意があることは明らかです。資産買入れプログラムが増加する中で、中央銀行の資金による巨額の財政赤字を犠牲にして、民間部門から公的部門へのリスク移転が生じることが予想されます。このような公共セクターのリスク分担は、まさに2008年の危機を止めたものであり、再び必要とされています。

しかし、費用は膨大になるでしょうし、長期的な問題は、誰がその負担を負うのかということです。すなわち、そのコストは公共部門にかかり、今後数年間で特別な「コロナ税」に転換されるのか、それとも民間部門が負担するのか、です。

政府が企業倒産を受け入れたり、あるいは防止したりと、企業に対する対応が異なるように、おそらく国によって対処方法は異なるでしょう。

1サイクル終焉後の種まきの時期

世界の経済がいつ再開されるかは依然として不透明です。新型コロナウィルスの感染は急速に拡大しており、まだピークに至っていません。 新型コロナウィルスの終焉が視野に入らない限り、おそらく市場はきわめて不安定な状態が続くでしょう。とはいえ、市場はすべての経済的な苦痛を導く要因を見抜こうとし、新型コロナウィルスの正しいリスクプレミアムをゆっくりと見定めていくと考えます。

現在、ファンダメンタルズは明らかに脆弱です。深刻な景気後退と不透明な状況がしばらく続くと見ています。しかし、恐怖、パニック、嫌悪の段階にあることは明らかです。悪影響を和らげる方針については、各主要経済地域で1兆米ドル以上の財政支援を見込んでいます。

ポジショニングについては、当社は、保守的な投資スタイルだけでなく、バリューベースの逆張りアプローチでも知られています。我々の考えは、見通しが晴れ渡っている時にリスクを減らし、ハリケーンが始まって市場がパニックになった時にリスクを取得すべきだというものです。そして、ハイイールド市場へのアンダーウェイト・リスクを減らし、投資適格のロング・ポジションを実行する瞬間に到達したと考えています。今回の相場下落は、まさに、我々が何年も待ってきたものです。戦略的視野を持つお客様に対しても逆張り的なスタンスで臨み、リスクを加えることを推奨します。

短期的には、数四半期にわ たり、深刻な景気後退と市場の痛みが続くように思え ます。リスクを追加するには最悪の時期だと感じるか もしれませんが、我々はそういう時こそ、最高の投資のタイミングであると考えます。

一つのサイクルが終わりました。しかし、それは新しいサイクルに向かっての種まきの時期なのです。

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当資料は情報提供を目的として、Robeco Institutional Asset Management B.V.が作成した英文資料、もしくはその英文資料をロベコ・ジャパン株式会社が翻訳したものです。資料中の個別の金融商品の売買の勧誘や推奨等を目的とするものではありません。記載された情報は十分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、意見等は、過去の一時点あるいは過去の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また、記載された投資方針・戦略等は全ての投資家の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。

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