japanja
事実か虚構か:サステナビリティ投資は傍流の投資手法?

事実か虚構か:サステナビリティ投資は傍流の投資手法?

25-09-2018 | インサイト

サステナビリティ投資は時に投資の傍流と考えられてきたので、全体の規模を知れば驚かれるかもしれません。インパクト投資やテーマ投資など、一部の分野は確かにまだニッチと言えるかもしれませんが、サステナビリティ投資は今や数兆ドル規模の産業であり、日々ますます多くの人が取り組む、投資の本流となりつつあります。

  • Guido Moret
    Guido
    Moret
    Active Ownership Specialist
  • Masja Zandbergen
    Masja
    Zandbergen
    Head of ESG integration

要点

  • 国連責任投資原則(UNPRI)の署名機関は、世界50ヵ国で総額70兆米ドルもの資産を運用しています。
  • ESGは現在では日常業務として運用に統合され、複数の分野に適用されています。
  • パリ協定をはじめとする様々な規制により、環境は大きく変わってきています。

サステナビリティ投資は、1990年代、確かに投資の傍流のコンセプトとしてスタートしました。ロベコは当時から、同分野に本格的に取り組んだ運用会社の1社です。当時は(時には今でも)社会的責任投資(SRI)と呼ばれるものが中心で、主な運用形態は、煙草や武器製造会社など望ましくない産業をポートフォリオから排除するものでした。実際の投資は極めて特定の分野に限られ、オーガニックフードや、当時まだ黎明期だった再生可能エネルギービジネスなど、ニッチ産業の株式に限定されていました。

その後20年でサステナビリティ投資は大きく領域を広げてESG要因が注目されるようになり、あらゆる資産クラスにおいて投資プロセスに統合されるようになりました。欧州では、サステナビリティ投資を取り入れた投資家が、取り入れていない投資家を既に上回っており、Global Sustainable Investment Alliance(GSIA)によると、2016年末時点で全資産の52.6%がSRI投資で運用されています1

サステナビリティ投資に関する9つの新たな考え方

今すぐダウンロード(英文)
サステナビリティ投資戦略別の運用資産 2014~2016年 
出所:Global Sustainable Investment Alliance 2016年レビュー

実際に、資産運用分析調査会社のセルリ・アソシエイツは、欧州ではサステナビリティ投資が極めて広く浸透してきたため、多くの資産運用会社が現在巻き返しに躍起になっていると指摘しています。同社は2017年9月のニュースレターの中で、「欧州のファンドマネジャーはESG課題への対応に一斉に飛びつき、先を競って取り組んでいますが大きな成功には至っていません。資産運用会社はしのぎを削り、投資対象の企業もまた同様です」と述べています2

サステナビリティ投資の世界的規模の大きさを測る1つの指標として、国連責任投資原則(UNPRI)の数値が挙げられます。UNPRIは、6つの原則に照らしたサステナビリティ投資の推進を働きかけています。ロベコとロベコSAMは設立当初からの署名機関です。UNPRIの署名機関の事業拠点は50ヵ国に及び、運用資産の合計額は米国の国内総生産(GDP)の3倍に相当する約70兆米ドルにのぼります3

出所:国連責任投資原則(UNPRI)

また、その他にもサステナビリティ投資を推進する国際的な団体が設立されています。国際コーポレートガバナンス・ネットワーク(ICGN)は、ESGのG(ガバナンス)の改善に特化した団体で、現在、参加メンバーは600以上にのぼり、運用資産の合計額は26兆米ドルに達します4。米国では、US Forum for Sustainable and Responsible Investment(USSIF)が、1995年には1兆米ドルだったサステナビリティ投資の運用資産が、2016年末には投資市場全体の20%に当たる8.7兆米ドルに跳ね上がった、と報告しています5

ESG統合の進展

ロベコにとってサステナビリティ投資は、長年にわたり運用の主流を成してきました。ESGは、全ての株式および債券のファンダメンタル運用、クオンツ戦略の投資プロセスの中に日常的に統合されています。2017年9月現在、運用資産総額1,520億ユーロのうち、明確にESGを統合した運用資産総額は約910億ユーロにのぼり、事業全体のほぼ60%に相当します。その他のファンドでも、地域や業界固有の課題によりフォーカスしている場合もありますが、サステナビリティ要因は常に考慮され、ESG統合は様々な形で適用されています。

資産運用業界でどれほどサステナビリティが浸透しているかを測るもう1つの指標として、潜在顧客が運用会社に依頼する商品の詳細に関する質問書、すなわちRequest for Proposal(RFP)が挙げられます。今ではロベコに寄せられるRFPの90%以上にESGやサステナビリティに関する質問が含まれており、ますます詳細が求められるようになっています。例えば、資産運用会社がUNPRIに準拠しているかだけではなく、サステナビリティがどの程度統合され、統合がどのように行われているのかを詳しく問う投資家が増えています。

従って最近では、運用会社においては、サステナビリティ・ファンドを提供できる能力がより重要になっています。機関投資家のデータ分析の世界的なスペシャリストであるイーベストメントは、運用会社のサステナビリティ投資の実態について透明性向上を求める投資家の需要の高まりに応えるため、運用会社のESGデータ収集の事業を拡大しました。同社は「過去18カ月で、全世界のESGのスクリーニング活動が150%増加した」と報告しています6

サステナビリティ投資の真実:“事実”か“虚構”か

ビデオを見る

規制とリスク

最後に、政治や規制の観点からも、サステナビリティがより重要な政治課題として取り上げられるようになりました。欧州委員会は1月、「グリーンかつクリーンな経済への行程表を提供」するため、サステナブルファイナンス・ハイレベル専門家グループ(HLEG)の提言を発表しました7

規制の分野で最も注目すべきはパリ協定で、地球温暖化を産業革命以前の水準よりも摂氏2度未満、できれば最大1.5度に抑えることを署名国に求めています。これは、化石燃料から風力発電や太陽発電のような再生可能エネルギーへの転換など、全世界のエネルギー生産に大規模な影響を与えています。

この投資の多くはテーマ型ファンドやインパクト・ファンドの領域に留まっていますが、国家が気候変動対策に一層真剣に取り組み始めたため、サステナビリティ投資の中でも最も急速な成長分野となっています。伝統的な株式ファンドや債券ファンドへのESG統合の進展に合わせて、サステナビリティは傍流から本流、さらには規範となりつつあり、一層の発展を見せるでしょう。

1 Global Sustainable Investment Alliance 2016 年 レビュー
2 セルリ・アソシエイツ、the Cerulli Edge, European Monthly Product Trends(欧州マンスリー商品トレンド)、2017年9月
3 詳細については 国連のPRIについてをご覧ください。
4 ICGNに関する詳細については こちらをご覧ください。
5 US Forum for Sustainable and Responsible Investment, 「Report on US Sustainable, Responsible and Impact Investing Trends(米国のサステナビリティ投資、責任投資、インパクト投資のトレンドに関する報告書)」、2016年
6 Fundfire, 「Evestment expands how managers report ESG data(イーベストメント、運用会社によるESGデータ報告の分析事業を拡充)」、2017年10月
7 欧州委員会、 「サステナブルファイナンス・ハイレベル専門家グループ最終報告書」、 2018年1月

サステナビリティ投資
サステナビリティ投資

サステナビリティ投資に関する9つの新たな考え方

さらに読む(英文)

重要事項

当資料は情報提供を目的として、Robeco Institutional Asset Management B.V.が作成した英文資料、もしくはその英文資料をロベコ・ジャパン株式会社が翻訳したものです。資料中の個別の金融商品の売買の勧誘や推奨等を目的とするものではありません。記載された情報は十分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、意見等は、過去の一時点あるいは過去の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また、記載された投資方針・戦略等は全ての投資家の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。

ご契約に際しては、必要に応じ専門家にご相談の上、最終的なご判断はお客様ご自身でなさるようお願い致します。

運用を行う資産の評価額は、組入有価証券等の価格、金融市場の相場や金利等の変動、及び組入有価証券の発行体の財務状況による信用力等の影響を受けて変動します。また、外貨建資産に投資する場合は為替変動の影響も受けます。運用によって生じた損益は、全て投資家の皆様に帰属します。したがって投資元本や一定の運用成果が保証されているものではなく、投資元本を上回る損失を被ることがあります。弊社が行う金融商品取引業に係る手数料または報酬は、締結される契約の種類や契約資産額により異なるため、当資料において記載せず別途ご提示させて頂く場合があります。具体的な手数料または報酬の金額・計算方法につきましては弊社担当者へお問合せください。

当資料及び記載されている情報、商品に関する権利は弊社に帰属します。したがって、弊社の書面による同意なくしてその全部もしくは一部を複製またはその他の方法で配布することはご遠慮ください。

商号等: ロベコ・ジャパン株式会社  金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2780号

加入協会: 一般社団法人 日本投資顧問業協会