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クオンツ運用のファクターとサステナビリティを融合する洗練されたアプローチ

クオンツ運用のファクターとサステナビリティを融合する洗練されたアプローチ

27-06-2018 | インサイト

ファクターに基づく株式戦略はリスク・リターン特性の改善だけでなく、サステナビリティの目標達成にも有効となり得ます。しかしながら、クオンツ運用のファクターとサステナビリティ要素との適切なバランスを取るには、洗練されたアプローチが必要とされます。

  • Machiel Zwanenburg
    Machiel
    Zwanenburg
    Director, Portfolio Manager

要点

  • サステナビリティとクオンツ運用 を組み合わせることが、投資家にとって非常に重要になってきています。
  • それには数多くの手法があります。
  • 双方の効果を最大化するには、洗練されたアプローチが必要です。

サステナブル投資ソリューションに対する需要の高まりは、資産運用会社に大きな課題を突き付けています。リターンを犠牲にすることなく環境・社会・ガバナンス(ESG)要素を組み入れることが求められているのです。こうした流れの中、最高水準のサステナビリティ基準を、効率的なクオンツ運用あるいはファクター投資に組み合わせることができれば、競合他社に対する非常に有効な差別化手段の1つとなります。

実際にここ数年、ファクター投資とサステナビリティの相互作用に関する調査研究レポートの発行件数は増加しています。投資の世界ではこれら2つの投資アプローチの融合による潜在的なメリットに対する認識が高まり、学術界も商品を提供する側も、こぞってこの分野の研究に注力しているのです。

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多種多様なサステナビリティ統合のアプローチ

クオンツ戦略のポートフォリオで サステナビリティ統合を実行するには多くの方法がありますが、ここでは3つの主要なアプローチを特定しました。第1の方法はESGとリターン目標に別々に取り組むことです。具体的には、リターン目標達成のためにポートフォリオの一定割合をファクター戦略に配分する一方で、残りはポートフォリオの全体的なサステナビリティ特性を向上させるため、ESGを重視した戦略に配分する方法です。しかし、このアプローチは最適とは言えないかもしれません。サステナビリティ統合が往々にしてファクターへのエクスポージャーを犠牲にする結果を招くことがあり、またその逆も起こるためです。

2つめの方法は市場全体のポートフォリオを一定水準のサステナビリティ基準によりスクリーニングし、それをクリアした投資ユニバースにファクター戦略を適用する方法です。この方法は第1の方法よりは好ましい結果を生むかもしれませんが、理想には程遠いと言えます。このアプローチは、例えばESGスコアやカーボン・フットプリントなどの、サステナビリティ基準に対する評価が低い企業への投資を避けることを狙いとしたものです。ポートフォリオのリターンとサステナビリティ特性との双方を最大化するという最終目標に焦点を当てたものではありません。

リターンとサステナビリティ目標を確実に達成するためのより洗練されたアプローチとは、ファクター・ティルトとサステナビリティ基準を同時に最大化する方法です。これは、サステナビリティをクオンツ運用の銘柄選択モデルにおける1つのテーマとして扱うこと、つまりポートフォリオ構築プロセスのもう1つの条件として追加する方法です。ロベコの社内リサーチと長年の実績からは、望ましいサステナビリティ基準を満たすようESG要素を考慮しながら、求められるファクター・ティルトを維持し、リターン面の目標も確実に達成することが可能であることが分かっています。

「リターンとサステナビリティ目標を確実に達成するためのより洗練されたアプローチとは、ファクター・ティルトとサステナビリティ基準を同時に最大化する方法です」

下の図表1は、リターンとサステナビリティの目標双方を達成しようとする際、投資家が直面するトレードオフ(相殺)の関係を示す概念図です。灰色の線は、投資家が第1の手法、すなわちESGとリターン目標に別々に取り組む方法を採用した場合、採ることができる選択肢を示しています。一方青色の線は、ファクター・ティルトとサステナビリティ基準を同時に最大化する方法を選んだ投資家にとっての選択肢を表しています。

図表1:ファクター・ティルトとサステナビリティのトレードオフ概念図

出所: ロベコ

青色の曲線で描かれたファクター・ティルトとサステナビリティとの関係は、既存のロベコの運用戦略のデータを使ったバックテストによって示すことができます。その結果が図表2に示されています。このグラフには、ロベコのQIグローバル先進国サステナブル・エンハンスト・インデックス戦略のデータに基づいて、ファクター特性とESG特性が異なるいくつかのポートフォリオが描かれています。

図表2:ファクターとサステナビリティ特性が異なるポートフォリオの効率的フロンティア

出所: ロベコ モデルファクターの異なる組み合わせのポートフォリオについて、加重サステナビリティ・スコアに対するインフォメーション・レシオのシミュレーション結果をプロットしたもの(平準化処理後)。主にバリュー、クオリティ、モメンタムのファクターに基づくモデルと、主としてサステナビリティ・スコアに基づくモデルとを比較しています。

ロベコのQIグローバル先進国サステナブル・エンハンスト・インデックス戦略は、参照インデックスから導き出された平均と比較して、サステナビリティ特性の高い企業に傾斜配分することにより、ESG統合を行っています。さらに、ポートフォリオの温室効果ガス排出量、廃棄物発生量、水消費量、エネルギー消費量などのフットプリントを少なくとも20%以上削減しています。また、ESGの価値観に基づく広範にわたる排除リストも適用します。このような手法を採ることにより、ロベコの定量銘柄選択モデルによるファクターエクスポージャーの大半を確保しながら、サステナビリティ特性の向上を同時に図ることが可能となります。

ロベコSAMのノウハウが基盤

ロベコのクオンツ株式戦略では、3つの異なるアプローチでサステナビリティ投資を実践しています。基本アプローチは、ポートフォリオがベンチマークもしくは参照指数のESG特性を上回るよう構築するものです。エンハンスト・アプローチでは、排除(エクスクルージョン)、環境フットプリント削減、サステナビリティ特性の高い企業への傾斜配分という、サステナビリティ統合の3つの側面を、ポートフォリオ構築プロセスに適用します。最後に、より先進的なアドバンスト・アプローチでは、このポートフォリオ構築基準を維持しながら、さらにサステナビリティとファクターの両スコアを基に株式銘柄の魅力度を判定します。

サステナビリティ・スコアの計測には、ロベコSAMのコーポレート・サステナビリティ評価(CSA)を使用します。CSAは、上場企業約4,500社について、財務上重要なサステナビリティ情報を毎年分析するものです。ロベコのグループ会社であるロベコSAMは、1999年のCSA開始以来、世界最大級の包括的なコーポレート・サステナビリティに関するデータベースを構築しています。

重要事項

当資料は情報提供を目的として、Robeco Institutional Asset Management B.V.が作成した英文資料、もしくはその英文資料をロベコ・ジャパン株式会社が翻訳したものです。資料中の個別の金融商品の売買の勧誘や推奨等を目的とするものではありません。記載された情報は十分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、意見等は、過去の一時点あるいは過去の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また、記載された投資方針・戦略等は全ての投資家の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。

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