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SDGs 5周年、5つの教訓

SDGs 5周年、5つの教訓

20-10-2020 | インサイト
国連の持続可能な開発目標(SDGs)は5周年を迎えました。この5年間で我々はどのような教訓を学んできたでしょうか。ロベコのSDGストラテジストであるJan Anton van Zantenは、多くの教訓を得た一方、やるべき課題も多く残されている、と述べています。
  • Jan Anton van Zanten
    Jan Anton
    van Zanten
    SDG Strategist

要点

  • SDGsが2015年9月25日に設定されてからこれまで、主に5つの教訓が得られました。
  • SDGsはビジネスにとって有益であり、その達成にはさらなる投資が必要です。
  • 17の目標は均一なものではなく、相互に重複し関連し合っています。

1つには、SDGsは持続可能な開発について、より具体的な理解をもたらしました。様々に解釈される不明確な概念だったものが、169のターゲットと、進捗を測定するための232の公式な指標で構成された17の具体的な目標となり、より良い世界への青写真となったのです。

もう1つ注目すべきは、SDGsは豊かな国にも貧しい国にも同じように適用される世界的なアジェンダだということです。SDGsの前身であるミレニアム開発目標は、主に新興国市場に適用され、取り組み対象とされたサステナビリティ課題の範囲もかなり狭いものでした。さらに、SDGsは、政府、民間企業、慈善団体、科学者、個人に至るまで、社会全体に対して貢献を呼びかけています。

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ロベコのSDGストラテジストであるVan Zantenは、次のように述べています。「こうした特長を総合して考えると、SDGsはサステナビリティにおいて、いわば北極星のようなものとなりました。SDGsは、スワジランドであろうとスイスであろうと、すべての国の住民の暮らしを向上させることを目指しています。そして、完全に理にかなっているのです。SDGsが目指すところに従えば、ウェルビーイング(幸福、健康)を向上し、経済的豊かさを増進し、投資家にはリターンをもたらすこともできるでしょう。」

「SDGsは驚くほどの注目を集めるようになりました。5年が経過した今、SDGsアジェンダは実行段階に入ってきています。このモメンタムを確実にインパクトへとつなげていかなければなりません。」

2015年9月25日にSDGsが採択されてから5年が経過しました。この日はオランダではSDGアクションデーに指定されています。この5年で、投資家は何を学んだのでしょうか。SDGs達成における企業の役割をテーマに博士論文を執筆している Van Zantenは、主な教訓を5つ挙げました。

教訓1:SDGsはビジネスにとって有益

「17のSDGsは、人と地球の持続可能な未来への投資における、大きなビジネスチャンスを提供しています。インフラ、住宅、食品、医薬品への投資から、再生可能エネルギー、融資や保険を必要とする人々への提供、廃棄物削減の手段に至るまで、多岐にわたります。ある推計によれば、SDGsは年間12兆米ドルもの投資機会をもたらす可能性があります。SDGsはまた、リスクを特定し軽減するための手段も提供しています。たとえば、 低炭素経済への移行トレンドを理解しないでいると、消費者の需要や規制の変化により、事業が存続不可能な状態に陥るという現実的リスクに直面するかもしれません。」

教訓2:一定の進展は遂げたものの、十分なレベルには程遠い

「SDGsをきっかけに一定の進展は見られました。2015年以降、議員に選出された女性の人数は19%から24%に増加し(SDG5:ジェンダー平等を実現しよう)、最終エネルギー消費全体の17.5%が再生可能エネルギーで賄われ(SDG7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、法的な海洋保護区の割合は2倍以上の17%に達しています(SDG14:海の豊かさを守ろう)。しかし、残念ながら、憂慮すべき課題にも直面しています。生物多様性はかつてない速度で損なわれ、地球温暖化が進み、不平等は拡大し、飢餓は増加しつつあります。その間に、新型コロナウイルス感染拡大は、健康保険上の課題として過去に例のない規模のものとなり、深刻な経済的影響をもたらしています。2030年までに目標を達成するのに必要な投資額に対して、依然として毎年2.5~3兆米ドルもの大きな資金ギャップが発生しています。」

教訓3:17のSDGsは均一ではなく相互に関連し合う

「17のSDGsは独立した自己完結型のものではなく、相互に結びついています。貧困の撲滅(SDG1)は飢餓終息の手段となり(SDG2)、ひいては人々の健康の向上につながります(SDG3)。一方、マイナスの重複もあります。インフラの整備(SDG9)は、通常は 温室効果ガス排出量の増加につながり、気候変動問題解決の足を引っ張ることになります(SDG13)。農業はSDG2(飢餓をゼロに)に役立ちますが、取水量の70%を農業が占めているためSDG6(安全な水とトイレを世界中に)には逆効果となり、また肥料や農薬の使用はSDG15(陸の豊かさも守ろう)を脅かすことにもなります。SDGsを達成する唯一の道は、こうした相互作用をうまく管理することなのです。相互の反作用や打ち消し合い効果は、回避もしくは軽減することが求められる一方で、相互にプラスの作用がある場合、複数の目標を同時に前進させる好機となり、より広範な規模で大きなインパクトをもたらすことにつながります。」

教訓4:SDGsには投資家の存在が必要

「ロベコでは、投資家は変革をもたらすことができる、と確信しています。その方法の1つは、目標達成に貢献できる企業に資金を振り向けることです。これは、1つ以上のSDGsに寄与する企業の株式や債券を購入し、SDGsに沿わない企業への資金提供を回避することを意味します。またロベコは、解決策へと資金を振り向けるための投資手段を生み出すことにも取り組んでいます。具体的には、スマート・エネルギー、ヘルシー・リビング、サステナブル・ウォーター、グリーンボンド、SDG戦略などの運用戦略が挙げられます。投資家が変革を生み出すもう1つの方法は、 アクティブ・オーナーシップによるものです。アクティブ・オーナーとしての立場を活かし、議決権行使とエンゲージメントを活用して変化を促すことができます。例えば、エネルギー企業のエネル社は、ロベコによるエンゲージメントが実を結び、風力発電の専門家を気候担当の取締役に選任しました。エネル社は、気候分野の経験を持つ取締役を指名することで、化石燃料から再生可能エネルギーに移行し、2050年までのカーボンニュートラル達成を促進することを目指しています。」

教訓5:インプットからインパクトに移行すべき時

「投資においては企業に資金を投入することにフォーカスしがちですが、この資金がSDGsの中でも何の達成につながったかを測定するため、より視野を広げた考え方が必要です。ロベコでは、SDGsにプラスやマイナスの影響をもたらす投資の価値の定量化は可能であり、実践しています。さらに、投資が人々の生活を改善し、環境の持続可能性を促進する上でどのようなインパクトをもたらすか評価することにも取り組んでいます。例えば、ロベコの推計では、ロベコSAMサステナブル・ウォーター戦略に100万ユーロ投資する毎に、清浄水4,700万リットルが供給される計算となります。これは欧州の一般家庭430世帯の水利用に該当します。このような洞察を行うことが、最も低コストでSDGsに最も大きく貢献している企業を見極めるのに有用となります。」

気合を入れ直して取り組む

Van Zantenは次のように語っています。「多くのことが達成されてきましたが、なすべきことはまだまだ多く残っています。今後に向けて、科学の示す道筋は明確です。サステナビリティこそが唯一の道なのです。新型コロナウイルスは、科学者からの警告に注意を払わないと何が起こるのか、明確に示しました。こうしたリスクを管理することを学ぶ必要があります。同時に、ロベコでは常に将来の投資機会を追求しています。」

「SDGsは、これを達成するためのグローバルな青写真です。SDGsは、こうした課題を受け入れて取り組めば事業リスクを低減できるという世界において、長期的なビジネスチャンスを明示するものなのです。」「ですから、SDGs達成に貢献するため、皆で、もっと迅速に、もっと先へと取り組みを進めていきましょう。投資業界は、大きな資金的影響力を有しています。それを活用しましょう。我々には、こうしたニーズを満たしながら、同時にアルファの創出にもつながるような企業に投資するという選択が可能なのです。」

「SDGsが5周年を迎えた今、次の10年間でSDGsを確実に達成するための『行動の10年』が始まりました。気合を入れ直して、これらの教訓を活かし、その実現につなげましょう!」

重要事項

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