アジアで注目が高まるサステナビリティ投資

アジアで注目が高まるサステナビリティ投資

01-12-2017 | Column

先頃アジアを訪問し、多くの機関投資家の皆様とサステナビリティ投資についてお話する機会を得ましたが、このテーマに対する純粋な関心の高さに大変驚かされました。より多くの知識を得たいという意欲が大変強く、お会いしたほとんどの投資家から、自身の投資ポートフォリオでサステナビリティ投資に着手しつつあるとのお話を伺うことができました。

  • Masja Zandbergen
    Masja
    Zandbergen
    Head of ESG integration

それが成功するかどうかは、サステナビリティ分野で活動する団体・企業が、現地企業に関する十分なリサーチを提供できるか、また適切な投資ソリューションが存在しているか否かにかかっています。いずれにおいても、よりアジアの状況に合わせたアプローチが必要です。さらに、あらためて人的要素が重要であることも確信しました。このテーマに純粋な意味で興味をもち、真剣に取り組む投資家こそが、望ましい変化を成し遂げるでしょう。

サステナビリティに関する最新の「インサイト」を読む
サステナビリティに関する最新の「インサイト」を読む
配信登録

サステナビリティ投資の勢いが増す日本

日本ではサステナビリティ投資がまさに勢いを増しています。滞在した2日間はミーティングで完全に埋まりました。日本では、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの導入や、大規模な機関投資家が先陣を切ってポートフォリオの一部を責任投資に振り向ける動きに牽引され、その勢いが加速しています。一部には、他に比べて非常に積極的な投資家もいます。ESG(社会・環境・ガバナンス)ポートフォリオを運用しながら、これまでその事実を外部に積極的には発信してこなかった投資家もいるようです。日本では謙遜が美徳とされるためか、ほとんどの投資家が、未だ初期段階にありサステナビリティ投資について学んでいる最中だと強調していましたが、今後サステナビリティ投資の実践が拡大することと期待しましょう。

大手機関投資家による緩やかな歩み

アジアのその他の国々でお会いした大手機関投資家においては、歩みはもう少し緩やかな印象を受けました。資産運用会社の選定プロセスで使用するため、各社のサステナビリティ投資における強みを見極める質問票を作成している段階です。北欧のお客様の間では、運用会社が十分なESG方針を備え実践していることは既に必須条件になっていますが、私は、これが早晩世界全域で必須条件になると考えています。ロベコでは、運用会社のESGの実践状況を徹底的に評価することが重要だと確信しており、訪問した投資家の皆様にはこの信念をご説明しました。もはや、単に国際連合責任投資原則(UNPRI)の署名機関となるだけであったり、曖昧な形でESGを取り入れたり、時折ポートフォリオの中でエンゲージメントを行うだけでは不十分です。どのようにUNPRIの原則を実践し、どのようにESGを構造的に取り入れ、企業とエンゲージメントを行い、結果を追跡・把握するのかが肝要なのです。

これらの機関投資家は、自身による(国内)投資ポートフォリオでもESG統合に着手していますが、多くの困難に直面しています。例えば、知識の蓄積や担当チームへのリソースの配分、ESGリサーチ機関による現地の中小型株のカバー不足、議決権行使にどの助言会社を利用するか、どのように効果的に企業とエンゲージメントを開始し、他の投資家と協力するかなどが挙げられます。ロベコの知見を提供することが、そのプロセスを迅速化し、世界全域で投資家によるエンゲージメントが活発化される一助になればと考えます。

A(Alpha、アルファ)からB(Belief、信念)への転換

プライベート・バンキングや個人投資家向けビジネスでは、ESG戦略がアルファを高める可能性を示し、お客様の共感を得られる商品を開発することが明らかに必要とされます。個人投資家によるサステナビリティ投資ソリューションへの需要が高まっているとの調査もありますが、私が訪問した銀行から受けた全体的な印象は違いました。超富裕層顧客からのニーズはあり、それには応えていけるでしょう。一方で、通常の富裕層やその他の個人顧客へのソリューション提供には依然として課題が存在します。アルファ追求の議論の陰に隠れて、進展が遅れてしまうのではないかとの懸念を感じています。それよりも、明確なビジョンを持ち、投資家や社会全般に対するESGの重要性への信念を持つことの方がよほど効果的です。そのようなアプローチを取る方が、結果的に富と社会福祉の双方で成功することになるでしょう。

最も興味深かったのは、経営陣とESGをポートフォリオで実践する担当者とが同席したミーティングでした。経営陣、ESGスペシャリスト双方とも非常に意欲的であり、もちろんアルファ創出に関する質問も出ましたが、その段階は既に通り過ぎたように見受けました。ミーティング出席者は非常に熱心で、議決権行使やエンゲージメントの実践、定量的ESGリサーチ、運用会社選定などに関して、鋭い質問が次々と出ました。資産運用業界でESGの取り組みを一層促進するうえで、人的(知的)資本を築くことが極めて大切だとの意を強くする思いでした。結局のところ人こそが重要なのです。

出張のカーボンフットプリント

アジア5ヵ国を飛行機で周ることは地球の環境改善にはつながりません。環境改善は今回の訪問理由の一つですから、そこは多少の矛盾があります。ロベコのビジネスは、基本的に二酸化炭素を排出する性質のものではありませんが、出張が重大な影響をもたらす可能性があることは認識しています。こうした背景から、当社ではカーボンフットプリント削減に努め、削減できない分の埋め合わせをしています。ロベコは、全従業員による活動の結果発生する二酸化炭素排出の削減を目標とする宣言に署名しています。ロベコは、「カーボンニュートラル・プロトコル」に従って二酸化炭素排出の正味ゼロを達成し、CarbonNeutral®の認定を受けました。

当コラムは、ロベコのESG統合責任者Masja Zandbergenによる、サステナビリティ投資の様々なトピックを取り上げた連載です。

重要事項

当資料は情報提供を目的として、Robeco Institutional Asset Management B.V.が作成した英文資料、もしくはその英文資料をロベコ・ジャパン株式会社が翻訳したものです。資料中の個別の金融商品の売買の勧誘や推奨等を目的とするものではありません。記載された情報は十分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、意見等は、過去の一時点あるいは過去の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また、記載された投資方針・戦略等は全ての投資家の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。

ご契約に際しては、必要に応じ専門家にご相談の上、最終的なご判断はお客様ご自身でなさるようお願い致します。

運用を行う資産の評価額は、組入有価証券等の価格、金融市場の相場や金利等の変動、及び組入有価証券の発行体の財務状況による信用力等の影響を受けて変動します。また、外貨建資産に投資する場合は為替変動の影響も受けます。運用によって生じた損益は、全て投資家の皆様に帰属します。したがって投資元本や一定の運用成果が保証されているものではなく、投資元本を上回る損失を被ることがあります。弊社が行う金融商品取引業に係る手数料または報酬は、締結される契約の種類や契約資産額により異なるため、当資料において記載せず別途ご提示させて頂く場合があります。具体的な手数料または報酬の金額・計算方法につきましては弊社担当者へお問合せください。

当資料及び記載されている情報、商品に関する権利は弊社に帰属します。したがって、弊社の書面による同意なくしてその全部もしくは一部を複製またはその他の方法で配布することはご遠慮ください。

商号等: ロベコ・ジャパン株式会社  金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2780号

加入協会: 一般社団法人 日本投資顧問業協会